ひと握りの夢（D.Sakuma） (ページ4)

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今回はSnowManが出演するCMのタイアップ曲の依頼だった。
商品についてはもちろん、彼らが歌っていて違和感のないものを作る必要がある。

『丁度今日レッスンで来ているので、見ていかれますか？』

『本当ですか！』

ということで、挨拶を兼ねてレッスンの様子を見学させて貰えることになった。

この事務所、ビルの中にレッスン場の他にもいろいろ施設が入っているらしい。
どんだけばかでかいんだ…。

♪〜

「！」

レッスン場所が近いのか、音が聞こえてくる。

重そうな扉の前に着くと、それじゃあ開けますね、と相手方が開いてくれた。

「…っ！」

動けなかった。

広々とした空間では、ジャージなどの動きやすい格好をした9人の男性がいる。
それを目にした途端、釘付けになってしまった。

音に合わせて動く彼らは、自分の体以上に大きく動き、空間を縦横無尽に移動している。

すごい。

簡単な言葉だけど、それ以外見つからなかった。
それぐらい、圧倒された。

思わず見惚れていると、とん、と上司に肩を叩かれて我にかえった。

確認用の大きな鏡に写る私たちに誰かが気付き、メンバーに伝えてくれた。
音が止み、息を切らした彼らが私たちに注目する。

キラキラと汗を流す、アイドル『SnowMan』との初対面だった。