29.下手くそなサプライズ ページ31
電話が鳴り止まない
侑くんや木兎さんからだ
翔陽は
私を忘れてしまったのだろうか
苦しくて
ずっと泣いていた
頭が痛い
あー私は昔から変わらない
弱虫だ
翔陽の未来を潰したくない
翔陽の時間を奪ってはいけない
寂しくて誰かに会いたい
苦しい
こんなに泣いたのは
ばぁちゃんが亡くなったとき以来だろうか
私はひとりじゃ立つことも
ご飯をたべることも出来ない
ピンポーンピンポーンピンポーン
インターホンが仕切りに鳴り出した
ガチャガチャ
ドアが開く音
鍵は翔陽しか持ってない
布団に包まり流れっぱなしの涙を止めようとしたが
そんなのは無理だった
翔「っ、、A」
ぎゅっと布団事抱き締められた
懐かしい声
懐かしい匂い
大きくなった身長
逞しくなった腕や身体
目をみたら多分私は好きすぎて離れられなくなる
きっと困らせてしまう
翔「A。泣かせてごめんな。寂しい思いさせてごめん。……こっち向いて。」チュ
「グスッ、ぅ、ヒック……ふっ、、グスッ」
顔を上げさせられ目が合った
久しぶりの翔陽に涙が止まらず
同時に振られてしまうのだ、と不安が襲った
カタカタと口が震え涙は止まらず
別れの覚悟なんか1ミリも出来てなくて
ただ震えて泣いていた
翔陽は私の異常な泣き方に抱き起こし抱き締めていた
息が上手くできない
ばぁちゃんみたいに、あっさり居なくなるのかな
そんな事しか考えられなかった
リビングに侑くんや木兎さん、佐久早くんの声がした
うまく息が出来ない
苦しい
翔陽 、、やだ、、
翔「Aがこんな泣かせて不安にさせたならサプライズはしない方がよかった……本当にごめんな。本当に、、ごめん。怖がらせたな……愛してるよ。大丈夫、離れないよ。迎えに来た。。結婚しよ。俺もAしか無理だから。Aじゃなきゃ無理だから。待たせてごめんね。」
ギューッと強く抱き締められてから
頬に手を添えられた
目が合い笑いながら
翔「結婚してください」ニカ
そして薬指に嵌められた指輪
涙は止まらず
突然の事にパニックになっていた
「グスッ……ふ、、ヒック、、ぅ……」
泣いてる私に構わず沢山のキスをする翔陽
目が合いもう一度聞かれた
翔「奥さんになってくれますか?」ニカッ
泣きながら頷いた
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:椎名りら | 作成日時:2024年1月9日 19時