千年姫と誠の心

３８・いつも通りだけど、いつも通りじゃない日々 ページ41

私がお城を抜ける前の生活に戻った・・・・はずだった
今目の前にいる母様は、昔に増して凶悪になっていた


いままでなら許されなかった外出も
許されている。逆に追い出されるようだ


　『・・・・・母様は、何をやっているんだろう』



私を追い出すとき、必ず言う言葉がある



母「絶対に、１時間は戻ってきてはダメよ」

　『何でですか？』

母「母様は、仕事をしているの。・・・・あなたに影響が出てしまうかもしれないから、早く」


いつもいつも、この会話。
だけど、言うことを聞くしかない私に、反抗する勇気はなかった



＿＿＿＿今思えば、この時動き出していたら、あんなことにならなかったのかもしれない



外出先は、決まって子供たちのところ
今日も公園に来ていた


　『みんな〜、こんにちは！』


いつもなら返事が返ってくるのに、今日は返ってこない
早すぎたかな。と思うけど・・・


子「う・・・うぅ」


どこからか子供たちの泣き声が聞こえてくる
かすかな声を頼りに探し回ると、木の陰に３人いた


　
　『どうしたの・・？みんなは？』



３人に声をかけると、ビクッと肩を揺らして
私の顔を見ると、抱き着いてきた



子「お姉ちゃん！助けて！！」

　『え？ど、どうしたの？』

子「みんな、知らない人たちに連れていかれちゃった」

子「僕たちは、見つかってなかったから・・・・でも見つかったら・・・」



そう話す子供たちの顔は真っ青だった
緊急事態ということはわかって、とりあえず事情を聴く


　
　『その人たちって、何か言ってなかった？どこに行くとか・・・・』

子「・・・・お城に連れていくって言ってた」



その言葉を聞いた瞬間、一気に青ざめた
ああ、このことだったんだって


子供たちを、安全なところへ移動させ
全力でお城へと向かう


確かに、最近、神隠しだと町の人たちが言っていた気がした
それはたぶん・・・・・母様の仕業だと確信があった



　『ごめん・・・・ごめんね・・・今、助けに行くからっ』


綺麗な青空だったはずが、今は真っ黒な雲に覆われていた

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