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37・お人形の宿命 ページ40

『わぁ・・・久しぶりだ・・・』


家を出て、西本願寺に移動してから、一度も来ていなかった
なんとなく町が変わった気がする


笑顔でわらっている人も増えた
きっと、母様が町に手を出していないから


 『私は必ず、その笑顔を守るからね』


無邪気に笑っている子供たちに向かってつぶやく
そうして足を進めているうちに、城の前についた
中に入ろうとすると、門兵が槍をつきだした


兵1「町のもの、部外者は立ち入り禁止だ」

兵2「ちょ、ちょっと待て、もしかして・・・・A様ですか?」


門兵は、私の味方なので攻撃をするようなことなんか、一度もない


 『そうだよ・・・・お久しぶり』

兵2「やっぱり!どうぞ、お入りください」

兵1「失礼しました!どうぞ」

 『ありがとう』


城の中に入っていくと、息が苦しくなるような居心地がとてつもなく悪かった
まるで、小さな小さな狭い箱に、閉じ込められたように・・・

そして、ある部屋の前に来て、襖へと話しかける


 『お母様、瑠璃です。入ってもよろしいでしょうか』

母「瑠璃!?・・・・どうぞ、お入りなさい」

 『失礼いたします』


中に入ると、とても嬉しそうに顔をほころばせる母がいた
私を手招きして呼び寄せると、優しく包み込む


母「心配したのよ?・・・・綺麗になったわね」

 『ご心配かけて、申し訳ありませんでした・・・』


ここまでなら、普通に良い母親なのだと思う
ここまでなら・・・・


母「さすが、私の人形ね。いい出来だわ・・・」

 『・・・・』

母「あなたは、私のところに戻るしかない。そんなこと、初めからわかっていることだものね」

 『・・・・・』

母「だって、貴方は、私がいなくては生きていけないんですものね」

 『・・・・・』

母「あなたは、永遠の人形よ。それは絶対に変わることも、変えられることもないわ。ねぇ?」

 『・・・・はい』

母「あなたは、これから絶対に私の傍を離れないわよね?」

 『・・・・はい』

母「それでこそ、完璧な私の人形よ」


私は、貴方の娘じゃない・・・人形
助けを求めたって、誰も助けてくれない・・・・だったら


母様の言うことを聞くしか、存在理由がない
私は、私の存在理由がやっぱり大切だった


瑠璃という偽物の名前でも・・・



たとえ人形でも、からっぽの私に愛情を注いでくれるのだから・・・

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設定タグ:薄桜鬼 , 藤堂平助 , 沖田総司   
作品ジャンル:アニメ
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宇歌(プロフ) - ルナさん» ありがとうございます!そういっていただけると嬉しいです。頑張りますね! (2016年7月22日 14時) (レス) id: 34c667b779 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - とても面白いです!更新頑張ってください (2016年7月22日 14時) (レス) id: 28e11fac7c (このIDを非表示/違反報告)
宇歌(プロフ) - 平助loveさん» ありがとうございます!そういっていただけると、頑張ろうって思います!両立しながら頑張ります(`・ω・´) (2016年7月14日 22時) (レス) id: fc4db3a53b (このIDを非表示/違反報告)
平助love - 面白いです!続きが気になります!更新頑張ってください! (2016年7月14日 19時) (レス) id: 16e215697c (このIDを非表示/違反報告)
宇歌(プロフ) - 帰蝶さん» ありがとうございます!期待にお答えできるように頑張りますね! (2016年4月30日 10時) (レス) id: fc4db3a53b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宇歌 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年12月3日 23時

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