千年姫と誠の心

２５・失ったものと取り戻したもの ページ27

Aside


近藤さんと土方さん、総司が山南さんの部屋へと向かった
どうしても気になって、静かについて行ってみる

　『(襖・・・盗み聞き・・・よくない事だけど、今回はいいよね)』

襖に耳を押し当て、中の話を聞く


総「でも、昼は動けないんですよね？その状態で、隊務に参加できるんですか？」

山「・・・私を死んだことにすればいい」

　『！！・・・死んだことに・・？』


驚いた・・・でも何より、あの薬によって取り返すことのできたものもあった。
だけど、失うものが大きいということも事実


山「私はこれから、薬の成功例として隊を束ねていこうと思います」

　『・・・・』


どこで間違えてしまったのだろうか・・・
成功なんかじゃない・・・まだ、未完成だってことはわかってるはずなのに・・・


山「我々は、薬の存在を伏せるよう、幕府から命令を受けている」

山「私が死んだことになれば、薬の存在は隠し通せる」


皆の事を考えての答えなのだと思う反面
山南さんの我儘でもあるのではないかとも思ってしまう悪い自分がいる

自分の感情を上手く抑え込めなくなってきていて、黒い感情が今にもあふれだしそうだ
誰も傷つけないように、僕は部屋から離れた

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