いつだって求めるのはキミの愛 ページ21
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“大谷先輩に憧れて花巻東に入りました！好きです！”
ずっと言えなかった、6年前の告白の返事。
それが今、やっと……言えた。
思ってもいなかったのだろう俺の言葉に、Aも折原くんも固まる。
俺はそんな2人を見ながら、数秒空いたあとゆっくり口を開いた。
｢俺はこれまでの人生を野球に捧げてきた。それはこれからも変わらないし、変えるつもりもない｣
俺は帽子を深く被り直す。
そして顔を上げ、まっすぐにAを見据えた。
｢だけど……そんな人生の中で唯一、Aはいつもそばにいてくれた。こんな野球バカの俺を、呆れもせずに1番のファンだと言って応援してくれた｣
Aだけは特別なんだ。
ずっと、めげずに俺を思い続けてくれた、キミだけは。
｢Aの笑顔は力をくれる。Aの声は背中を押してくれる。………気付いたら、もうなくてはならない存在になってた｣
いつも適当にあしらっていたけど。
キミの好きは、ちゃんと届いてたんだよ。
ポロリ、Aの瞳から涙が落ちた。
暗闇なのに、それだけは光に反射して輝いて見えて。
不謹慎だけど……綺麗だなって思った。
Aは溢れる涙を止める事出来ないみたいで。
嗚咽が出るのを我慢するように、下唇を噛み締めている。
その姿が健気で。
そういう所も好きだと思う。
｢今まで求められなかったから……ちゃんと答えなくて悪かったよ｣
照れくさくて、自分の顎を撫でる。
だけど、Aから目は逸らさない。
｢言葉が欲しいならいくらでもあげるから｣
これからも、この先も、ずっと。
｢好きだよ｣
｢……っ｣
俺はキミから目を離したりしないから。
酷く歪んだAの顔は、情けないくらい眉毛が垂れ下がっていて、思わず笑みが零れてしまう。
なにも、可笑しいわけじゃない。
ただ可愛くて、仕方ないんだ。
｢………A、おいで｣
スッと彼女の前に右手を差し出す。
いつもみたいに呆れたような笑い方で。
折原くんに掴まれていた腕を振り切り、Aは俺の方へ駆けてきて勢いよく胸の中に飛び込んできた。
今までにないくらいの強い力で、まるで｢離れるもんか｣とでも言いたげに抱きついてくる。
心配しなくてもいいのに。
俺はもう……キミのものなんだから。
そんな事を思いながら俺は優しく、だけどしっかりとその小さな身体を抱きしめ返した。
〈 いつだって求めるのはキミの愛 〉
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皐月(プロフ) - もうホントに好みの作風で、読みやすくて全部一気読みしちゃいました…！今まさに求めていた片思いのお話で、とってもキュンキュンしながらあっという間に読みきってしまってロスです…(笑)もっと大谷くんの作品作って欲しいです！楽しみにしてます♡ (2023年4月18日 20時) (
レス) id: f226820f57 (このIDを非表示/違反報告)
chimmy045509421(プロフ) - 時差がありますがコメントを…✨高校野球が好きで大谷という名前は知っていましたが、その後はニュースで見る程度…2023WBCでハマりました！大谷くんが好きになる子がこの子だったら良いのに…って素直に思いました^ ^❤️ (2023年3月19日 18時) (レス) @page35 id: 71162c9e08 (このIDを非表示/違反報告)
わお(プロフ) - 何度も読み返しては、ドキドキ感を味合わせていただいています＊！本当に、二人とも可愛くて、、年上ヒロインさんのお話もだいすきです！また、他のお話も読めることを楽しみにしています＊ (2020年7月26日 7時) (レス) id: e323b3ed3d (このIDを非表示/違反報告)
肴(プロフ) - corderoさん» コメント有難うございます！とても嬉しい褒め言葉です(T＿T)次回作、早めにupの予定でしたがオチが纏まらなくて停滞気味で...でも待っていて下さるのはとても嬉しいので、更新遅めになるかもしれませんがupしたいと思います！よろしくお願いします(*^。^*) (2019年11月23日 23時) (レス) id: cf19f87a6b (このIDを非表示/違反報告)
cordero(プロフ) - 入りきらなかったので2回め投稿します。私自身本人より年上のアラサーなので年上設定の次回作をとても待ち焦がれています。会話のテンポがいいだけでなく読みながら情景が浮かんでくるほどの萌文です。長くなるのでこの辺で。またコメントさせていただきます。 (2019年11月20日 9時) (レス) id: 2e348f3831 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肴 | 作成日時：2019年4月24日 21時
