甘いだけのご褒美はいかがですか ページ11
・
｢あの！先輩にご報告があります！｣
Aはそう言うと立ち上がり、バタバタと寝室へ向かう。そして何かを取って戻ってきた。
｢英検準1級、合格しました！あとTOEICは990点満点中、910点でした！｣
目の前に差し出されたそれは認定証。
Aが大学で勉強を頑張った証拠となるものだ。
俺は｢凄いじゃん｣と拍手をする。
｢来年は英検1級と、TOBISって言うビジネス通訳検定を受けるつもりです｣
｢ビジネス通訳？｣
｢はい。通訳の仕事をするかどうかは別として、やっぱり先輩と一緒にアメリカに行くとなればそのくらいの英会話レベルが必要だと思うので！｣
｢……もうついて行く気満々だな｣
確かに、大学を卒業するまで待ってるとは言ったけども。
……まぁそれで本人がこんなにやる気にやってるのだから別に良いか。
｢うふふ、せんぱーい｣
｢な、何｣
2つの認定証をテーブルの上に置いたAは、ソファーに座る俺の隣に腰掛けてきて。
ズイッと俺の方に身を乗り出しながら、ニヤリと不敵に弧を描き。身の危険を感じた俺は無意識に背を反らせて固まった。
｢覚えてますよね？頑張った“ご褒美”｣
｢う……うん｣
―――それは5月の事。
2つの試験を今年中に受けると報告された時。
“準1級を合格して、TOEIC860点以上出来たらご褒美ください”
“分かった。なんでもお願い聞いてあげるよ”
確かにそう約束した。
と、言うわけで彼女が提案してきたご褒美は。
｢私をベタベタに甘やかしてください！｣
俺にとっては、いろんな意味で試練かもしれない。
〈 甘いだけのご褒美はいかがですか 〉
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 368人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
皐月(プロフ) - もうホントに好みの作風で、読みやすくて全部一気読みしちゃいました…！今まさに求めていた片思いのお話で、とってもキュンキュンしながらあっという間に読みきってしまってロスです…(笑)もっと大谷くんの作品作って欲しいです！楽しみにしてます♡ (2023年4月18日 20時) (
レス) id: f226820f57 (このIDを非表示/違反報告)
chimmy045509421(プロフ) - 時差がありますがコメントを…✨高校野球が好きで大谷という名前は知っていましたが、その後はニュースで見る程度…2023WBCでハマりました！大谷くんが好きになる子がこの子だったら良いのに…って素直に思いました^ ^❤️ (2023年3月19日 18時) (レス) @page35 id: 71162c9e08 (このIDを非表示/違反報告)
わお(プロフ) - 何度も読み返しては、ドキドキ感を味合わせていただいています＊！本当に、二人とも可愛くて、、年上ヒロインさんのお話もだいすきです！また、他のお話も読めることを楽しみにしています＊ (2020年7月26日 7時) (レス) id: e323b3ed3d (このIDを非表示/違反報告)
肴(プロフ) - corderoさん» コメント有難うございます！とても嬉しい褒め言葉です(T＿T)次回作、早めにupの予定でしたがオチが纏まらなくて停滞気味で...でも待っていて下さるのはとても嬉しいので、更新遅めになるかもしれませんがupしたいと思います！よろしくお願いします(*^。^*) (2019年11月23日 23時) (レス) id: cf19f87a6b (このIDを非表示/違反報告)
cordero(プロフ) - 入りきらなかったので2回め投稿します。私自身本人より年上のアラサーなので年上設定の次回作をとても待ち焦がれています。会話のテンポがいいだけでなく読みながら情景が浮かんでくるほどの萌文です。長くなるのでこの辺で。またコメントさせていただきます。 (2019年11月20日 9時) (レス) id: 2e348f3831 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：肴 | 作成日時：2019年4月24日 21時
