双子は踊り狂い、愛を語る。【オリジナル】 (ページ15)

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下々は悪魔に見惚れる。１【かなり修正しました】ページ15

side：you

「じゃあね、ねえさん。」

「またお昼の時間に会おう。それで、一緒にご飯を食べようね。」

2年の昇降口と3年のは別々のところにあり、わたしたちは別れた。

これで解放？そんな甘くない。

きっとあのふたりのことだ。なにかを仕込んでいるに決まってる。

一秒たりとも気の抜けなかったわたしなのだが、背中に来る友達のハグに、緊張は解けた。

「結城ーおっはよう！！」

「みどり、おはようっ。」

親友と言っても過言ではない彼女、水草翠の登場だ。

彼女との出会いは、中学2年の秋。転校してきた彼女に、声をかけられたのがきっかけ。

双子から異性同性の付き合いを制限されてたので避けてたのだが、変わらず接してくれて、双子もついには折れてくれた。

いや、諦めた。のほうが、言葉としては合ってるのかもしれない。

「ここで会うなんて偶然だね。今日は朝練ないの？」

「うん、そーなんだ！ほら、グラウンドの全体整備に入るからっ！」

「あーそういえばそんなこと言ってたね。」

ふたりで話しながら教室へ向かう。

翠意外に仲の良い子は、クラスにいない。というより、他クラスにもいない。

だからわたしは、教室に入ってもずっと翠と話を続けていた。

「そーいや今日も一緒に来てたね。」

「えっ？」

この手の話は、毎度ドキッとする。

双子とのことがバレそうで。顔には出さないように。冷静を装って翠に相槌を打つ。

「あの双子が姉想い(シスコン)っていうのは校内みーんなわかってることだけど、過保護よねえ。」

「まあ昔から一緒に行ってたからね。」

「にしてもよ！！もーすぐ高校と中3っていう思春期真っ盛りのこの時期に、喧嘩もしないで……。」

あははっと軽く笑って、「随分仲良いのねえ」と疑り深そうな翠をあしらう。

翠はたまに、本当にたまに、真面目そうな顔をしてわたしたちの関係を探ってくる。

最近、それが怖かったりしてる。

まあ、双子に比べたら、まだまだ全然、そんなことはないんですけど。