椿、深き翠に落つる。【庭球浪漫/立海/男主】 (ページ31)

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精市も弦一郎も、俺には優しかった。俺も当然、二人のことを好いていた。

が、時折感じる疎外感というか……そういったものは、いつまで経ってもぬぐい去ることが出来なかった。

春木が入隊して、しばらくして。研修に向かった赤也が、帰ってきた。

白石に赤也の教育を頼んだのは、俺だった。赤也にとって良い刺激になれば……と、精市に提案したのだ。

しかしそれは結局、悪い結果しか生まなかった。

「……すまない、俺が余計なことをしたばかりに。」

「蓮二のせいじゃないよ。これは、個人の気持ちの問題だからさ……」

精市はそう言ったが、俺の心には一片の後悔の念が残った。

俺が、死なせた。赤也を。

「っ……」

胸が痛い。俺があんなこと勧めなければ。赤也は。

その日から、三日連続で。まるで鎖が連なっていくかのように、処分は進んだ。

やられていった彼らに対しても、何故か、俺は後悔の念を抱いていた。

赤也さえ死なせなければ、彼らも助かったのでは？

そんなことばかり、考える。

それから、またしばらく。次に標的にされたのは、柳生だった。