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紳士の記憶 ページ25
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私は常に、人の言葉に従ってきた。
よく言えば、従順。悪くいえば、流されやすい人。
英国に留学したのも、精鋭部隊と呼ばれるこの隊へ入ったのも、強く勧められたから。平和に、静かに、その生を全うできれば、私はそれでよかった。
自分の意思など、ないに等しい。ああしたいと思っても、問題を起こすくらいならそれは抑え込むのが、私の常だった。
国に忠誠を誓えと言われても、その通りにすれば高い地位を約束されるから誓ったまでであって。
人に揃えて生きるのが正しいと、長年思っていた。
幸村くんたちの考えることも、多少はわかります。
自分を押し殺し、彼らに黙ってついていく。それだけで私は上層部扱いされたし、勝手に彼らからの信頼を得ることも出来た。
このまま行けば、いいと思ってた。
でも、あの日。幸村くんが引き取り連れてきた、変わった髪の彼ら。
生意気な銀髪の男が、私の意識のすべてを変えにやってきたのでした。
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2016年3月1日 20時
