椿、深き翠に落つる。【庭球浪漫/立海/男主】 (ページ21)

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赤髪の記憶ページ21

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仁王に、いい相手ができたらしい。

柳生とかいったそいつは、やがて仁王と二人で幸村くんから諜報活動を任されるようになった。

なんでも、上手いこと変装やら入れ替わりやらやって効率よく諜報してるらしい。

俺はというと、いい仲間ができた。

ジャッカルっつー、気のいいやつで俺と同じような苦しみを味わってきた奴。

まーこいつとのコンビネーションが上手くいくわいくわ。

それ以来、俺はジャッカルと一緒にいる。

そうして、入ってきた赤也をからかったり遊んだりしてるうちに、また新しい隊員が入ってきた。

なんでも、赤也の同期らしい。マメで、おとなしそうな奴だった。

やがて、西へ研修に行った赤也が帰ってきた。……が、その次の日。赤也がいなくなって、また次の日にジャッカルがいなくなった。

どこに行ったんだろう。俺に言わずにいなくなるような奴じゃないのに。

ふと思い出したのは、ジャッカルが最後に言ったこと。

そういやあいつ、幸村くんのとこに行くって。

(……)

嫌な答えが、浮かんだ。

「なあ、仁王。」

でも、ひとりで聞くのはどうも怖くて。俺は、自然と仁王のところへ行っていた。

「ちょっと幸村くんとこ行くんだけどさ、付き合ってくんね。」

「どうしたんじゃ、ブンちゃんらしくないのう……まあ、ええが。」

「悪い……」

俺はそのまま仁王を連れて、幸村くんのところへ向かった。