椿、深き翠に落つる。【庭球浪漫/立海/男主】 (ページ11)

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「……え？」

「わからないなら、何度だって言います。この隊から抜けさせてください！」

頭を下げ、床を見る。隊長がどんな顔をしているのかなんて、わからなかった。

驚いているんだろうか。それとも、怒っているんだろうか。

「……赤也。顔を上げてもらえるかな。」

顔を上げた先の隊長は、戸惑ったような。そんな顔をしていた。

「……びっくりしたよ。どうしたんだい、いきなりそんなこと……」

「俺、西に行って気づいたんす。ここのやり方は間違ってるって……別に、隊長が嫌いだとか、副隊長の小言が嫌だとか……そんなんじゃないんです。でも、こんな形じゃ国のためになんてならない気がするんです。」

「……」

「こんな愛国心の表れなんて、おかしいっすよ！……俺、もっと別のやり方があると思って……だから！」

「……決心は変わらないのかい。」

隊長の静かな声が響く。俺がうなずくと、隊長は仕方ないと言ったように笑った。

「わかったよ。」

「じゃあ……！」

……瞬間。

「……、？」

腹部が、赤く染まる。

「君は、いらないね。」

隊長の声とともに、激痛が俺を襲った。