椿、深き翠に落つる。【庭球浪漫/立海/男主】 (ページ1)

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気高き花に憧れてページ1

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椿の花言葉は、「誇り」だという。

その隊を話す時、父はうっとりとしながらそう教えてくれた。

軍人の父は、その隊へ入ることが夢だった。国のために尽くし、国のために死ぬことが、父にとって何よりの喜びであった。

父さん。見ているでしょうか。

俺は今日、あなたの遺志を、継ぎました。

「本日より配属されることになりました、春木Aです！よろしくお願いします！」

深緑の軍服。襟についた、椿を象ったピンズがきらりと光った。

「春木、だね。」

目の前の人が、椅子から立ち上がる。

帽子からこぼれる青の髪が揺れた。線の細い顔が、なんとも美しい。

「椿隊隊長、幸村精市だ。君の働きを期待しているよ。以後、よろしく頼む。」

「はい！」

差し出された手を、握り返した。

ふわりと笑ったその人。どこまでも綺麗で、絵になる。

まるで花のような人だと、感じた。美しくて気高くて、まさにこの隊をまとめるのにふさわしい人。

他の隊員に紹介すると手招かれ、俺は足を踏み出した。

父さん。今日から、俺は、椿隊の一員です。