君に堕ちた僕達は今日も狂っている

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片寄さんに出会った奇跡。


片寄さんに抱かれた奇跡。


片寄さんを好きになった奇跡。


聞こえるわけのない声が聞こえた奇跡。





幸せだなぁって、思い出に浸っていた時だった。







“A”と呼ぶ彼の声が聞こえたのは。






─────────ついに幻聴まで聞こえるようになってしまったのかとびっくりした。







でもその声は次第に大きくなって、振り向けば、







片寄｢───────見つけた、｣







私はずっと願っていた彼の腕の中にいて、







片寄｢もう、どこにも行かないで───｣







片寄さんの泣きそうな声が、耳元で聞こえたんだ。









片寄｢……会いたかった、｣


『私も、です、』


片寄｢……酷いやんか。何もかも消していくなんて｣


『、ごめんなさい』





片寄さんの瞳からはボロボロといくつもの涙が零れて、その涙で溺れそうになった。




このアメリカと、片寄さんの関西弁が似ても似つかなくって、だけど幸せで。




どうしようもなくて、抱き着いた。1度抱き着いたら片寄さんは、もう2度と離しはしないとでも言うかのように強く強く抱き締め返してくれた。





片寄｢……戻ってきてや｣





帰ってきて。いつもの場所に。




その言葉がどれくらい嬉しかったか。





『戻っても、いいの…？』


片寄｢お願いやから、帰ってきて｣


『っ、帰りたい、片寄さんの所に、帰りたいよっ！』


片寄｢帰ってきたら、──────片寄Aになって｣





そして私は日本に帰ることになった。




もう1度、片寄さんに愛されるために。









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