陸拾壱 ページ14
「A、任務御苦労様ダネ」
どこからともなく肩にとまって言葉を連ねる千雨。
「千雨、有りがとっ!」
口角をにこりと引き上げ、優しい手付きで千雨の頭を撫でる。
千雨はご機嫌そうだ。
「雨降ってきちゃったねっ、次は、任務ある?」
「今日ハモウナイヨ」
「じゃあ早く帰ろう!」
「ウン」
そしてあの任務から1週間後、私はまたまたまた宇髄さんに泣き付いていた。そして隣には、先日たまたま出会って仲良くなった煉獄さんもいらっしゃる。
「宇髄さん、煉獄さん、流石にもう無理、もう無理です。時透くんと会わずに一週間経ちました。私の命の灯火も、今日で消えてしまうことでしょう…今までありがとうございましたさようなら。煉獄さんも短い間でしたがありがとうございました。私は時透くんに出会えて幸せでした。時透くん愛してます。」
「って、おい勝手にさよならするな!流石に冗談だろ、と思ったけど顔が本気なんだよお前は!派手に大丈夫か?」
「うむ!大丈夫だ!何の話をしているのか全くわからないが、天泣、君はまだ死なない!」
「いや話の内容わかってないのかよっ!」
そう、ここ数日、ずんだ餅も喉を通らないのです。
始めの二、三日はまだずんだ餅(好物)をギリギリ食べられました。鮭おにぎり(好物)も食べられました。
ですがもう無理です。何も食べたくないのです。食欲が消滅しました。
この状態でも任務を放棄するのは甲として己の心が許さなかったので、きちんと遂行していたのですよ?…私、偉い。
「うん、私、よくここまで頑張った。あとは任せます…」
「いや何を!?おい起きろ天泣っ!」
「大丈夫か天泣少女!」
そして立ったまま意識が飛びそうになる私。
めずらしく焦った顔の祭の神の姿が霞んだ目にうつる。
そして滅茶滅茶に肩を揺らす宇髄さん。…脳が痛い。
でも、宇髄さんにも沢山支えてもらったな…感謝しないと…
その時だった。
心臓が派手に音を立て、体中の血管に酸素が届きわたった。
そして霞んだ視界は瞬きをする間に色づく。
全身の筋肉という筋肉から精気がみなぎり、力の抜けた手先にもはっきりとした感覚が戻って来る。
そう、これらが示す事実は
時 透 く ん が 、 や っ て き た 。
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美雨音トウカ - なずなさん» そんな風におっしゃって下さるだなんて、とても嬉しいです!モチベーション凄くあがります…!これからも頑張って更新しますので、是非宜しくお願い致します! (4月21日 11時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 心臓が…爆発…しました……最&高です!!! (4月14日 16時) (レス) @page19 id: f22ade9e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年3月20日 0時