検索窓
今日:17 hit、昨日:319 hit、合計:9,115 hit

陸拾 ページ13

甘味処を後にし、千雨の情報を頼りに、任務先へ足を運ぶ。

厚い雲の下、雨の香りが鼻をさした。



しばらくして任務先に到着し、集中して鬼の気配を探る。
…遠いけれど、南東の方向に、鬼の気配。

「行きますかっ」

強く地面を蹴り、鬼のもとへと急ぐ。

少しでも、鬼に命を奪われる人を少なくするために。


たどり着いた先は、薄暗い山の中。日光は届かないので、昼間でも警戒が必要だ。
そして周りに注意していると後ろの方に鬼の気配を感じた。

後ろを振り向くと、巨大な斧を手にする鬼の姿が目にうつった。空気が、揺れる。

「…女、此処で何をしている。」
「ふふっ、そうですね、少しばかりお散歩に。」
「我が縄張りを訪れてくるとは…良い度胸だな。だが、お前の命も今日までだ。」

と言い終わると、鬼は斧を振り上げ、こちらの方へ近づいてきた。



…気配からして、この鬼はそんなに強くない。



雨の呼吸 弐ノ型 花雨(かう)



相手の鬼の攻撃が出るよりも先に、己の刃を振るう。
できるだけ、苦しまないように。

「っ、!?く、頸を斬ら、れた?」
「…罪を償って、来世では幸せになってね。」

自らの手で命を奪ってしまった眼の前の鬼に、手を合わせる。

「嗚呼…、有り、が、とう…」

最期を迎え、涙をこぼすその鬼に微笑みを見せる。



一粒、二粒と雫が天から降ってきた。
まるで、涙のように。

陸拾壱→←伍拾仇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
111人がお気に入り
設定タグ:時透無一郎 , 鬼滅の刃
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美雨音トウカ - なずなさん» そんな風におっしゃって下さるだなんて、とても嬉しいです!モチベーション凄くあがります…!これからも頑張って更新しますので、是非宜しくお願い致します! (4月21日 11時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 心臓が…爆発…しました……最&高です!!! (4月14日 16時) (レス) @page19 id: f22ade9e4c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年3月20日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。