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伍拾捌 ページ11

「まあお前、とにかく時透のこと『無一郎くんっ』って呼んでやれ。派手にな!」

ニカッと笑って歯を見せる宇髄さん。
そんなこと私なんかにできるのかな…

「とにかく、相手のことを下の名前で読んであげたら、距離がうーんと縮まるのよ!」

心のなかで、へえーっ、という声を漏らす。恋柱の蜜璃ちゃんに言われると派手柱さんと違ってなんだか説得力がある気がする。

「お前失礼なこと」
「考えてませんっ!」

いつも通り宇髄さんの言葉を華麗にかわすと、蜜璃ちゃんが衝撃の発言をした。

「まあまあ、Aちゃん、宇髄さんを無一郎くんだと思って、名前を呼んでみて!」

ええ、!?宇髄さんを時透くんだと思って!?

「ちょっっとそれは…」
「おいっ!」

いや別に宇髄さんは顔整ってるとは思いますけど、時透くんとは違うじゃないですか?時透くんは時透くんだし、宇髄さんは宇髄さんなんですよ。
…はい。

「そ、そもそも名前呼ぶっていっても、時透くん、今長期任務でいないし…」

まだ会わないで数日も経っていないにもかかわらず、頬を涙がつたう。

「…お前、時透と会わないで何日目だ?」
「っ、うぅ、15時間36分29秒ですぅ、っひぐっ」

「…」

「…29秒は流石に冗談ですっ、」
「おい36分は本当なのかよ…!」

時透くんに会いたいという思いで泣き続ける私を見て、蜜璃ちゃんが涙を拭ってくれる。

「とにかく、頑張るのよ!Aちゃん!無一郎くんも、任務先で頑張ってると思うわ!私、2人のこと、応援してるから!」
「み、蜜璃ちゃん…!そうだね、私、頑張るね!」

蜜璃ちゃんの言葉で涙が収まってきた。
蜜璃ちゃんにお礼を述べると、
「全然いいのよ!私達、親友だもの!」
と言って優しい笑顔を向けてくれた。
なんて良い人なんだろうか。心に温かさがじんわりと広がる。

「ごめんなさい、私と伊黒さんは合同任務があるからそろそろ行かないと…」

眉尻を下げて申し訳無さそうな表情を見せる蜜璃ちゃん。

「ううん、蜜璃ちゃんありがとう!なんか元気出たよ!」
「ふふっ、なら良かったわ!じゃあ二人とも、また会える日に!」

蜜璃ちゃんは大きく手を振りながら甘味処を離れていき、伊黒さんも蜜璃ちゃんとともに去った。

空を薄く覆っていた雲から日の光が溢れていた。

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美雨音トウカ - なずなさん» そんな風におっしゃって下さるだなんて、とても嬉しいです!モチベーション凄くあがります…!これからも頑張って更新しますので、是非宜しくお願い致します! (4月21日 11時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 心臓が…爆発…しました……最&高です!!! (4月14日 16時) (レス) @page19 id: f22ade9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年3月20日 0時

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