弐拾陸 ページ27
「え、あ、」
数秒、いや、私にとっては数分に感じられたが、頭が真っ白になった。周りの熱が全て私に集まってきたと思うくらい、体の熱が上がる。
大好きな彼の顔が至近距離にあり、互いの呼吸が容易に感じられる。心の臓が音を立てる。
それが、まるで、この世界に二人きりしかいないように錯覚させる。
「と、時透くんどうしたの、急に、?」
と、勇気を出して聞いた瞬間、時透くんの腕の力がぬけ、私の上へ倒れてきた。あわてて腕を伸ばし、彼を腕におさめる。
「え、?あ、あの、か、霞柱さーん?」
…寝ている。
もう一度言う。
彼は寝ている。
時透くんは、寝ぼけてたということなのか。
私の体はまだ熱い熱を帯びている。顔も風邪をひいているのでは、と思うくらい赤く染まっている。
……………ね、寝ぼけてあんなことするなんて…!
そういえば、銀子ちゃんが、
「アノ子、最近任務デ睡眠不足ダカラ心配ナノヨ」
と言っていた気がする。時透くんも頑張ってるんだな。
でもそれとあれとは違うよね!?本当に心臓止まったかと思ったんだよ!?
…えー、まあ、しばらく寝かせておいてあげよう。
しかし、このままでいるわけにもいかないので上にもたれかかってきている時透くんを抱き上げ、ようとしたそのとき。
「お前ら何してんだよ。昼間から派手なことになってんなあ。もしかして…お前ら恋仲なのか!?」
げ、出た、派手柱…
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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時