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story5 ページ6

目を開けると、そこには光が溢れていた

「……まぶしい」

のっそり起き上がるとそこは布団のなか

周りには畳と卓袱台

そうか、わたし、武装探偵社に一日の寝食を提供してもらったんだった

あのあと、一応皆に紹介され、国木田に「とりあえず明日また来い」とか云われ、太宰にこの部屋に案内してもらったのである

「……来いって云われたし、出社しますか」

社員でも何でもないけど

そう言えば斡旋できそうな仕事がある、とも言われていた

少し期待しておこう

  *****

社に着くと、昇降機ではなく、階段で四階まで上る。そして、扉をそっと開ける

「お、お早う御座いま──」

少し緊張して小さい声で呼び掛ける

早すぎたかな。でも時間は指定されなかったし

「やあA、お早う!ねえ見給えよ!大変なんだ!」

Aは黙って扉を閉じた

……

…………

はい深呼吸をして

れっつトライ

しかしもう一度見ても現実は変わらない

太宰が笑いながら事務所で大騒ぎしている。他の人はまだいないようだ

「ついに私はね、辿り着いたんだ!嗚呼、何と芳しい世界だろう!これが、これが死後の世界、黄泉比良坂!」

大仰な身振りを交え、踊っている

「想像した通りだ!見給え!青煙地に這い、月光窓に砕け、西空に桃色の象が舞踊る!」

ちらりと見ると太宰のであろう机の上には、かじりかけの茸

……毒茸か

その途端、太宰がクネクネと絡んでくる

「一寸、太宰さん!セクハラですよ!」

でも流石に拾い上げてくれた人を殴るのはまずいかもしれない

取り敢えず逃げ続けていると、国木田が出社してきた

「お早う御座います」

「国木田さん!」

Aは視線で助けを求める

「ああ国木田君、お早う!」

矛先が国木田に向く

国木田、完全無視

……よし、この間に逃げよう

しかし、矛先は直ぐに戻ってくる

ええい、鬱陶しい!

「国木田さん太宰さん倒していいですか!」

「ああ、良いぞ」

……真逆、許可が出るとは

では一寸失礼して

*****

「それで、仕事のことだが」

床に転がる太宰を無視して国木田が話し出す。Aも手を払いつつ向き直った

「はい」

……緊張する

「正式に社員として受け入れることが決定した」

先日云われていた通りだ。決定、か。良かった

まあ詰まり初日から先輩を攻撃してしまった訳だが

……ま、いいか。許可貰ったし

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(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月8日 11時) (レス) id: 6a81806e14 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごく面白いです!更新待ってます! (2019年3月7日 14時) (レス) id: d88528ecc4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年5月25日 21時

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