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「全社報告議事を継始めます」
国木田が口火を切った。資料を繰り、説明を行う
「事の次第は各員手許の資料を参照して頂きたい。かい摘まんで申しますと、探偵社を標的とした脅迫、それも悪辣かつ周到な醜聞攻撃が現在為されています」
「探偵社がヤバイってのは、此所に居る皆知ッてるサ。爆弾事件とやらの概略を話しなよ」
会議室に集まった一人である与謝野女医が声を上げた
「判りました。これが脅迫者から送られた電子書面です。犯人像にも繋がる為、是非ご一読下さい」
全員が一斉に手許の資料に目をおとす
そこには慇懃な文体で愉快ではない内容が記されていた。要約すれば
或る大規模爆薬を市内某所に設置した。
就いては爆弾を速やかに発見、除去するべし。
猶、起爆刻限は明日の日没であり、若し失敗した場合その旨を映像公開する──
ということらしい。ご丁寧にも爆弾の特徴まで書かれている
そして差出人は≪蒼の使徒≫となっていた
「……胸糞の悪い文面だねェ」
与謝野女医が吐き捨てた
「犯人の目的は探偵社の看板を貶める事か」
社長が冷静に云う
「おそらく」
探偵社は強い。それこそ下手な軍隊よりも
しかし探偵社とて営利企業。この手の醜聞攻撃は唯一の弱点と云える
勿論手をこまねいている訳ではなく、監視、盗聴装置の大量購入者や≪蒼の使徒≫について洗い出している
「乱歩さんへは未だ連絡が附かないのかい?」
女医が尋ねる。すると社長が応えた
「今朝連絡が附いた。九州の事件も佳境のようだ。此方に戻る手筈で居るが、日没に間に合うかは厳しい」
乱歩さん?初めて聞く名前だ。後で国木田さんに教えてもらおう
「全員聞け」
社長が声を上げた
「今回の事件は武装探偵社に対する卑劣な情報攻撃である。捜査の対象は二つ。攻撃者たる≪蒼の使徒≫の発見、及び爆弾の除去。最優先は、時間期限の有る爆弾だ」
全員が社長を注視し真剣な顔でその言葉を聞いている
「若しこの爆弾の発見敵わず人命が失われたならば、我等に探偵を名乗る資格は無い。之は社員としてではなく、一個の人間としての尊厳を賭けた戦いであると認識せよ。捜査開始」
社長の号令と共に、全員が立ち上がり行動を開始する
ふと、Aは思った
……そういえば、太宰さん何処行ったんだ?
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桜(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月8日 11時) (レス) id: 6a81806e14 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - すごく面白いです!更新待ってます! (2019年3月7日 14時) (レス) id: d88528ecc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜 | 作成日時:2018年5月25日 21時