Story.218 ページ18
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「お疲れ様でした!」
「お先に失礼します!」
瑞希「お疲れ。」
翼「夜遅いから気をつけてね。」
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部活が終わって、無さん臭い空間で
ジャージから学ランに着替える。
夏が終わって、寒い秋に突入したとはいえ
たくさん体を動かしたからとにかく暑い。
しかも、狭い部室だから臭いも最悪。
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翔太「あ…」
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ポケットに手を入れたら中でクシャっとなって
取り出してみると、朝勝手に持ち出した例の写真。
瓜二つの鈴木翔太と
俺……山本翔太。
何か、こうやって見ると赤の他人なのに
小さい俺と中村が一緒に写ってるみたいで複雑。
ここに写ってるのは鈴木翔太じゃなくて
俺だったらだったらいいのに……
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翼「翔太何やってんの。
瑞希は先帰っちゃったし、部室ももう閉めるよ。」
翔太「あ、すぐ出る。」
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外に出たら、風が吹いていて
暑かった体がちょうどいい具合に涼む。
もしここに鈴木翔太がいたら
俺と鈴木翔太はどんな関係になったんだろう。
そういえば鈴木翔太もバスケが好きみたいだし
もしかしたら俺といいライバルになってたのかな。
中村と幼なじみだし、もし両思いだったら
鈴木翔太と中村の姿を後ろから見てたのかな。
もし付き合ってなくても、仲良く話す二人の姿を
俺は嫌な顔で見てたのかな。
美術祭での作品作りのモデルもきっと俺じゃなくて
鈴木翔太。
中村が落ち込んだ時やピンチの時は
きっと俺より先に鈴木翔太が駆けつけてる。
そんな事を考えていると自分が嫌になって
ため息を自然についてしまう。
そんな時、後ろからぽんぽんと肩をたたかれて
振り向くと冷たい飲料水がほっぺに当たった。
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翼「さっきからため息つき過ぎ。
こっちの幸せまで逃げるからやめて。」
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当てられた飲料水はそのまま俺のほっぺをぐりぐりして
痛いからやめろって言うと翼は小さな笑みを見せた。
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翼「やっぱり真剣な顔よりそっちの顔が似合ってるわ。」
翔太「はぁ?」
翼「真剣な翔太は気持ち悪いって言ってんの。
どうせ鈴木翔太の事で悩んでんでしょ。」
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なな - すーごく面白いです!!大好きです!もし更新できそうだったらして欲しいです(*^^*) (2021年7月19日 22時) (レス) id: d3389ae01a (このIDを非表示/違反報告)
りす - マジでめちゃくちゃ面白いです!応援してます!更新期待しています! (2019年12月19日 19時) (レス) id: b112f160f2 (このIDを非表示/違反報告)
まころん(プロフ) - とても面白かったです!!続きが見たいです! (2019年12月7日 17時) (レス) id: 4fa7533a02 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 続きが、知りたいです (2018年10月2日 21時) (レス) id: 220877c622 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ - すごく面白かったですっ!早く続きが読みたいです (2017年6月25日 15時) (レス) id: c19c56219b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アップルオレンジ | 作成日時:2014年12月14日 6時