Story.212 ページ12
#翔太Side
あ「送ってくれてありがとう。」
翔太「ん。」
・
太陽が眩しいくらいのいい天気。
あれから何とか彼女を送り届けることが出来たけど
寝不足のせいかずっと欠伸ばかりしてしまう。
それに、朝飯まだ食ってないから
お腹は空いてるし…
今日、部活参加できるのか?ってぐらい
体調が優れてないのが自分でもよく分かる。
いいよな、中村は。
家に入ったらどうせすぐ寝るんだろうし。
まぁ付き合わした俺の自業自得何だけど。
・
翔太「じゃあ、俺はこれで……」
・
今にも出そうな欠伸を何とか抑える。
部活までまだ時間あるし少し寝よっかな……
そう思ってたら“待って”という
彼女の声が俺の足を止めた。
・
あ「部活まであとどれぐらい時間があるの?」
翔太「えっと…13時からだから3時間ぐらい、かな。」
あ「朝ご飯は…まだ、だよね?」
翔太「うん、お腹ペコペコで
ちょっとやばいかも…」
・
だけど俺料理出来ない……つーか、やろうとしたら
桜に物凄い面して止められたし、
山本家の中で唯一料理出来る桜は
自分の部屋で爆睡中だから起こす訳にもいかないし…
そんな事を呑気に考えてたら
中村の口が小さく開いて遠慮がちに言ったんだ。
・
あ「じゃ、じゃあ朝食、うちで食べませんか…?」
翔太「………は?」
・
一気に目が覚めた感じ。
驚いて目を見開くと中村は“あっ、でも!”と
胸の前で両手をぶんぶん振った。
・
あ「迷惑だったら別にいいの!
ただ、お礼が……したかった、からで………」
・
だんだんと小さくなる彼女の声。
それが何だか可笑しくって、
緩んでいく自分の頬を隠した。
・
あ「山本君……?」
翔太「ふふっ、ごめんごめん。
じゃあお言葉に甘えて、お願いします。」
あ「う、うんっ…!」
・
一瞬でパアッと明るくなった顔。
中村の笑顔は何度見てもやっぱり可愛くて
見飽きなくて。
・
この時、俺は少しも思わなかったんだ。
この幸せな時間が、あと少しで壊れることを___………
・
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なな - すーごく面白いです!!大好きです!もし更新できそうだったらして欲しいです(*^^*) (2021年7月19日 22時) (レス) id: d3389ae01a (このIDを非表示/違反報告)
りす - マジでめちゃくちゃ面白いです!応援してます!更新期待しています! (2019年12月19日 19時) (レス) id: b112f160f2 (このIDを非表示/違反報告)
まころん(プロフ) - とても面白かったです!!続きが見たいです! (2019年12月7日 17時) (レス) id: 4fa7533a02 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 続きが、知りたいです (2018年10月2日 21時) (レス) id: 220877c622 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ - すごく面白かったですっ!早く続きが読みたいです (2017年6月25日 15時) (レス) id: c19c56219b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アップルオレンジ | 作成日時:2014年12月14日 6時