前世は姫今世はな組のお手伝いさん【紫】

6　怒り ページ6

Aside



『失礼します。雛樹 Aです。』



私は手をついてお辞儀をしながら部屋に入った。


顔をあげるとそこには半泣きで謝る有紗を怒鳴る体格のいいガラの悪そうな男の人、

そしてサングラスをかけた紫髪の男の人。


紫髪の人が恐らく紫苑組の組長。


有紗が泣きながら謝っている後ろで組長は何も言わずに、前に見かけたあの高そうな花瓶を見ていた。


花瓶は割れているようで、それが原因で呼ばれたんだとすぐに気付いた。



「オイオイ！どうしてくれんだよォ！これは大切なものだってことくらい知ってるだろォ!?」



有紗「……っ……ごめんなさい！」



あーはいはい、犯人扱いされてるってわけね。

じゃあ……



『申し訳ございませんでした。花瓶が割れたのは、私の確認ミスです。……ですが証拠もないのによく呼び出そうと思いましたね。』



私は怒りを隠しきれずに言った。



「「「!!!」」」



『いつの間にか割れていたから、可能性の高い私達を呼び出したんですよね？勘違いされるのは別にどうだっていいですけど、私の責任を有紗に押し付けないでください。』



私は軽く睨むように言った。



組長「分かった。もう帰っていい。」



そう言われたので有紗を連れてすぐに部屋から出た。


と、すぐに



「どうだった？」



「大丈夫？」




と仲間に声をかけられた。


適当に返してその場を過ぎたが、クビを切られる事は覚悟していた。



まあいいか。


辞められるし。

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