前世は姫今世はな組のお手伝いさん【紫】

5　呼び出し ページ5

Aside


今、私は買い出しに来て、帰る途中。


久しぶりに有紗とは別の仕事になった。


有紗は一緒に窓拭きをしてから仲良くなった、西宮 有紗の事だ。


有紗は私と同じ学校で1年だけ後輩。


私はA先輩と呼ばれている。


仲良くなった事に気付いてか、偶然か、私たちは同じ仕事を指示されることがが多かった。



今は別だけど。


ていうか……

普通こんな重いのを女子3人に任せる？


まあいっか。


とりあえず急がないと。


夕食の時間に間に合わなくなる。



『少し急いだほうがいいですかね。』



「はい、分かりました。」



そして急いで家路に就いた。


見慣れた門を潜ると慌ただしいお手伝いさんの声やら足音やらが聞こえてきた。


何かあったのかな……。


そんなことをのんきに考えながら靴を揃えた。



「あ！雛樹さん！探してたのよ！」



「組長が……お呼びになっていました。」



「西宮さんと雛樹さんを！」



『え？有紗と私を？』



私はすぐに組長のもとに向かった。



あの空気からして叱りの呼び出しだ。


有紗だけが責められているとしたら、守らないと。


あ……そういえば、紫苑組の組長に会うのは初めてだ。


相手が組長だろうと有紗を虐めるのは絶対に許さない。



そう覚悟を決め、戸に手をかけた。




『失礼します。雛樹 Aです。』

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