前世は姫今世はな組のお手伝いさん【紫】

29　ホラー映画 ページ29

Aside




最悪の誕生日になりそうだとため息をつくと、足音が聞こえた。



しかもその足音はだんだん大きくなり近づいてくるようだった。




え……？


ホラー映画の世界に入っちゃった……？




息を呑み後ずさると、後ろから誰かに肩を叩かれた。




『……っ！？……』




言葉にならない声を上げると見覚えのある人物がいた。




「わっ……そんなに驚かなくても……って泣いてる……!?」




そう言って少し慌てた様子のななもり様。



私は怖くて気づいたら泣いていたようだった。




『あ、すみません。誰もいないし、足音も聞こえてきたので怖くなって……。』




恥ずかしくて伏せがちに説明した。



するとななもり様は優しく頭を撫でて謝ってくれた。




ななもり「怖い思いさせちゃったよね？みんなは準備しているんだよ。」




『え？』




私がよくわからずにいるとついてきてと言われた。



着いたところは大広間。



いつもななもり様たちがご飯を食べているところだった。



白くてきれいな襖を開けるとそこには……




「誕生日おめでとう！」




きれいに飾られた部屋とな組の全員がいた。




『……え……？』




しばらくよく分からなかったが私を祝ってくれていることを知って嬉しくなった。



そして




『……っ……ﾋｯ……』




嬉しくて涙が出てきてしまった。




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