【Undertale】元実験台は本当の愛を知ったらしい

盗み聞き ページ32

朝が来た。

それだけの、話。

もう体に馴染んだベッドをはなれ、ちょっと気取ったような思考からおさらばする。

度々…というかほとんど毎日、こう言う思考に陥ってしまうのは、私が疲れてるからなんだろうか。

こういうのは前にも何度かあった。意味不明なことを誰かが言ってる夢を見るのは。

…そしてその後、大体私の運命を変える出来事が起こる。

今回も、そうなのかな…

…その内容をなんとなく察しつつ、私は部屋から出た。

「ねえスオウ！」

二人の部屋の前を通り過ぎる時、そんな声が聞こえた。

「ちょっと…しー、静かに！」

ちょっと怯えたような声。

「二人を起こしちゃ悪いでしょ！」

「あー…それも、そうだね。」

…いい子じゃん。

ヤマブキがちょっとパピルスに重なって見えてくる。

「…二人でおうちに帰らない？きっとおばさんもお母さんも心配してるよ。」

「…でも、そうだけど…」

トリエルさんは？イナサはどうなるの？と、ヤマブキに問いかけるスオウ。

「二人はあんなによくしてくれたのに…だって、初対面だよ？そんな奴が部屋にいたら、ボクだったら追い出すな。足の怪我の手当てもしない。」

「…でも…」

そうやって話を進めるスオウ達がだんだん哀れになってくる。

『…私は、別にいいぞ。』

だから、勢い余って突入してしまった。

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