【Undertale】元実験台は本当の愛を知ったらしい

あの子のこと ページ23

「あぁ…本当に行ってしまったわ…」

どうしましょう、と焦っているトリエルさんの隣に立ち、『私はここに倒れていたんですか?』と聞く。

「あ、イナサね。そうよ。貴方はここに倒れていたの。」

焦りと驚きを足して二で割ったみたいな顔をしたトリエルさんを一瞥し、紫色の扉を見る。

『…私、地下世界から来たんです。地上じゃなくて。』

「どういうこと？」

『そのまんまですよ。元々私はラボに住んでいて、博士…ガスターさんに厄介になってました。』

…1年半ぐらいだけど。

『それでまあ…かくかくしかじかあって、ここに来たんです。

そうだ。ミキって子、知りません？』

私がそう聞くと、「ああ、あの子ね！」とトリエルさんの顔がちょっとだけ明るくなった。

「人懐っこい子だったわ。バレエが好きな子でしょう？…ちょっと音痴だったけれど、それでも懸命に頑張っていたわ。

…イナサ、あの子は今、何をしてるの？」

『…』

何、言えば良いんだろう？

『…そんな酷なこと聞きます？』

やっとひねりだした答えが、それだった。

それで察したのだろう、トリエルも黙ってしまった。

『…私ちょっと昼寝しますね。』

全力で走り、私は部屋に戻った。

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