【Undertale】元実験台は本当の愛を知ったらしい

暗がりの中 ページ12

『うわ。本当に真っ暗じゃん。』

部屋の外に出ると、辺りは闇に包まれていた。

…目の悪い私には極めて好ましくない状態だ。

目悪いならメガネかけろって？地下でメガネ作ってる人知らないんだよ。

でもまあ、目の代わりに耳はいい。

雑音の音源を探しながら、ナイフをぐるぐる回転させていた。

『…あ。』

手を滑らせて、ナイフを落としてしまった。

金属特有の大きな音が響く。

いやふざけんな？セラとかトリエルさんが起きたらどーすんだよ。

…まあ、回す私が悪いのだが。

「あら…？なんの音かしら…？」

がちゃ、とドアの開く音がし、トリエルさんと思しき人が出てきた。

あ。

やった。見つかったら終わりだ。

つま先立ちで走りナイフを回収する。

暗がりの中に見つけた段差を降り、息を潜める。

「…？空耳かしらね…？」

トリエルさんが遠ざかっていくのを確認してから、ほっとして息をつく。

…とはいえ、ここはどこだ？

馬鹿なことに、こんなに暗いのにも関わらず光源となるものを持ってきていなかったから、本当に何も見えない。

しかし、雑音はこの奥から聞こえてきているようだ。

…さてどうする。

問いを投げかけたものの、答えはもう一つしかなかった。

おし、いくか。

その頃にはもう、恐怖心なんてほとんど消えていた。

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