【Undertale】元実験台は本当の愛を知ったらしい

いせき ページ2

「…か、大丈夫ですか…」

温かい声がする。

『！？』

びっくりして目を開ける。

私…死んだはずじゃ…？

あたりをみる。手を動かす。

…間違いない。私は生きている。

「可哀想に…ここがどこか、わからないのね。」

さっきと同じ温かい声。

「私はトリエル。この遺跡の、管理人です。」

フワフワのヤギのようなトリエルさんは、にっこり笑ってそう言った。

『トリエル…？』

生まれたての子供が初めて喋ったかのような声で、私はそういう。

…もしかして、私お世話になっちゃった？

『あっ、す、すみません！私すぐ出て行きますから…』

あわてて私がそういうと、「待って。」と呼び止められた。

「大丈夫だから、ゆっくりして行きなさい。」

その時のトリエルの声と顔をみて、私は言葉を失った。

…似ている。博士を失った時の私に、似ている…

私に似た境遇だったり、似た顔の人でも喪ったのだろうか。

『…えっと…ここは…』

これでも長いこと地下にいるのに、今私がいる場所は見たことがない。

地上に出たのかと考えたが、トリエルさんはどこからどう見てもモンスターだ。

「ここはホーム。遺跡の中にある、私の家よ。」

トリエルさんは手を広げてそういう。

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