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「よし、じゃあ行くか」
『はいはい。また学校でね、緑谷』
そう緑谷に手を振って轟焦凍と病室を出た。もう私たちはほぼ怪我も治ったので、今日で退院。また職場体験に戻る。
まだまだエンデヴァーから学ぶことはあるし、自分の個性について理解を深めたい。
「……お前、いつの間に水神使えるようになってたんだ？」
『特訓の時は使えなかったのに、でしょ？私も同じこと考えた。思うに願望とかこうしたいっていう明確な理想が起因してるのかな、って』
「それでぶっつけ本番になるとできるようになる、てことか」
轟焦凍にあの日見た夢、もとい水神との会話は話してない。母にしか完璧に理解することはできないだろうから。常闇くんのように個性と会話したりっていう例は珍しくはないけど、私の場合ほんとうに制御出来ないかもしれない。
自分の個性に殺されるなんて嫌だから、機嫌をとりつつ仲良くならないと。
「………前に、進んでるんだな」
轟焦凍の言葉に思わず瞬きした。職場体験にくる途中私がこいつに思ったことと同じ。
『あんたこそ、お母さんと会ったり私よりもよっぽど強くなってるんじゃないの？』
「そうか、」
信号待ち。轟焦凍が顎に手を当て考え込む。青になっても動かないので仕方なくだだっ広い背中を押してやった。
「ん、わりい。………蓮水、」
『なに？』
「お前、俺の母さんと会うか？今度」
『え』
轟焦凍のお母さん？
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