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カラン、グラスの中の氷が溶け、ぶつかり合う音が心地よく鳴る。店内に流れているクラシックは落ち着いた内装と合っていて、とてもゆっくりできそうだ。
好みが合うかもしれないなぁ、と目の前でずっとそわそわしている彼に目線を向ける。
『それで？ なんでそんなに焦って婚約者探してるわけ？』
「……婚約者というか、恋人さえ見つけられればいいんですけど、いや、でも」
歯切れの悪い言い方。でそうになる溜息をアイスティーと一緒に飲み込む。やがて決心したかのように眉間にシワをつくりながら彼は言った。
「実は、叔父に無理矢理婚約させられそうになってまして……」
『うん』
「抵抗はしてるんですけど上手くいかなくて。相手の方は俺の個性目当てなのでさらに嫌で、」
つまりは個性婚ってやつか。自分の子どもに強力な個性を持った子を作ろうと、個性だけで結婚相手を選ぶあれ。時代遅れな阿呆の考えることだ。
「十八までに婚約者を見つけたらいいって話になって…」
『え？ それで求婚して回ってるの？』
「や、まあ……はい…」
呆れてなにも言えない。十八まで猶予があるのなら普通に恋愛すればいいものを。
いや、でもそれくらい焦ってるのか。いやいやそれにしても強行手段すぎる。そんなんじゃいつまで経ってもまともな婚約者なんてできやしないだろう。最悪お金で雇うしか……でもいつかバレるのか。
「嘘でもいいんです！ その場しのぎでとにかく叔父に面と向かってこの人が恋人だからって言えたらそれで……」
『………で？』
「協力、していただけないでしょうか？」
これは困ったな。目の前にこうやってこの世の終わりみたいな顔してる人がいるわけで、仮にもヒーロー志望なんだから放っておくわけにはいかないし。そもそも話を聞くなんて言ったのは私なわけだし。
それにしても全く不器用なやつだ。仲良くなった女友達とか、そういう人に頼めば簡単なのに。もしかしなくても、友達少ない？
『本物の恋人には絶対ならないって約束してくれるならいいけど……』
「そこんとこは大丈夫です！ そもそも俺、女ですし」
………おう？
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ひつじ(プロフ) - 蒼さん» 初めまして、こちらの不手際でした。せっかく見に来ていただいたのに申し訳ありませんでした。ご指摘、コメントありがとうございました。 (2020年3月6日 11時) (
レス) id: 227ef6ac63 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 初めまして。名前変換機能が出来ていないようで作品に入り込めません。 (2020年3月3日 7時) (レス) id: e3ad752106 (このIDを非表示/違反報告)
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