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廊下は静かで、遠くの喧騒が耳に届いた。ただ沈黙が続く。もしかして本当に気に触る言い方をしてしまったかな。そう思い直して何も言わない彼に、声をかけようとした。次の瞬間、
「……俺は、お前が憎い！！」
一瞬にして彼の周辺全てが凍りつく。床は薄氷が張り天井からは氷柱が垂れていた。
驚いて私も咄嗟に個性を使い、水で身体を覆い自分を守った。なんだこいつ。いきなり個性だして。きっとこの氷は彼の個性。現に彼の身体には霜や氷が張り付いていた。
彼の叫びが私の頭の中で痛いくらいこだまする。あの時向けられたものよりも、もっと怒気が含まれた憎しみ、悲しみ。
『初対面なのに、何言ってんの』
「………覚えてないのか」
『知らない。突然なんなの』
本当は覚えてる。でもあの時どんな会話をしたかまでは覚えていない。私はあの時目の前の人になんで言葉をかけたんだろう。 記憶にない限りなにも答えられはしない。
本当に覚えていなさそうな私をみてか、眉間のシワを深くしながら苦々しく轟焦凍は呟く。
「…お前の母親は母さんを裏切った」
『……だから？』
「お前ら家族が憎い！！ お前は」
彼の言葉を遮るように生徒の話し声が近づいてきているのが分かった。きっと次の授業でここら辺の特別教室を使うんだろう。わかりやすく舌打ちした彼は最後に一言だけ私に向けた。
「お前は、ヒーローになんて、なれない」
………余計なお世話である。一方的に好き勝手言って去った彼の背中は、あの頃と、何も変わってないようにみえた。
『にしてもこれ、どうすんの……』
凍りつく廊下をみて、私は少し青ざめた。
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ひつじ(プロフ) - 蒼さん» 初めまして、こちらの不手際でした。せっかく見に来ていただいたのに申し訳ありませんでした。ご指摘、コメントありがとうございました。 (2020年3月6日 11時) (
レス) id: 227ef6ac63 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 初めまして。名前変換機能が出来ていないようで作品に入り込めません。 (2020年3月3日 7時) (レス) id: e3ad752106 (このIDを非表示/違反報告)
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