012 ページ12
.
「「「個性把握…テストｫ！？」」」
グラウンドに響く生徒達の声。突然相澤先生が私たちに出したのは個性把握テスト。それも最下位の人は除籍処分というものだった。なんでもこの学校は自由なのが売り、そして先生もまたしかり、だそうで。
普通の体力テスト八種目を個性全開でやってみろとのことだった。久しぶりに会ってもイメージと変わんないな。個性全開、これは発想力も試される。
.
次々出席番号順にやっていく。自分の番までぼんやりと眺めていた。その時だった。ふと、私の視界に紅白に分かれた髪色の後ろ姿が入る。
『………え？』
重なる。あの男の子に。彼が私の声に振り向いた。オッドアイの瞳。左目周りの火傷跡。確かに言葉通り、夢にみていた彼の、紛れもない今の姿だった。
息が止まる。鼓動が早まる。いま、いま君は……、そう手を伸ばしかけた時だった。
「………おいA」
『わっはい！』
「次お前だ。特別色眼鏡でみないからな」
先生の声に我に返る。色眼鏡でみない、とはつまり昔からの知り合いであっても除籍処分の可能性があるということだろう。一瞬、目が合った彼はすぐ顔を逸らして自分の測定に行った。
驚いた。怖かった。なんだろう、この気持ち。期待、していたのだろうか。彼も私を覚えてるって。
『…集中、しなきゃ』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひつじ(プロフ) - 蒼さん» 初めまして、こちらの不手際でした。せっかく見に来ていただいたのに申し訳ありませんでした。ご指摘、コメントありがとうございました。 (2020年3月6日 11時) (
レス) id: 227ef6ac63 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 初めまして。名前変換機能が出来ていないようで作品に入り込めません。 (2020年3月3日 7時) (レス) id: e3ad752106 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
