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時計の長針が一回転した頃、そろそろ切るか。また明日、とねじれと最後に会話して電話を切った。まだそこまで遅くない時間帯。どうせこのまますぐに眠りにつけるような精神状態じゃないと思ったため、深夜のジョギングにでた。
母には気をつけて、と。姉には無言でしぶい顔をされたが見なかったことにして家を出る。
「なんだか、家出してるみたいだ」
真夜中、街灯だけが照らす路地。すれ違うやつれたサラリーマン。まるで別世界で、気分がいい。いまならどこまでも遠くまで行けそうだ。
もしもどこにでも行けるなら、私はどこに行っただろう。過去に戻って玉砕覚悟で天喰くんに告白したかな、なんて。
「………ぁあー、」
どう思考を回しても結局彼に向かってしまう。気づけばかなり距離があったはずの、あの公園に来てしまっていた。どれくらい走ったんだろう。
勢いででてしまったから。スマホを確認した瞬間に落ちた。真っ暗な画面にはうっすら反射して自分のしかめっ面が浮かぶばかり。一時間の長電話で充電ギリギリだったんだろうな、ついてない。
「つい一週間前までは、ここに座ってたのに」
いまだにあがる息を整える。いますぐにだって会いたい。いつだか四人で撮った写真をいまだに待ち受けにしてる。天喰くんと私が隣に並んでる写真。
私は満面の笑みで、彼は珍しくはにかんでくれてる。それ以外で彼が笑ってくれてる写真は持ってない。
「虚しいな、」
ふと、足元に目をやった。地面の色に似つかない水色のハンカチを踏んでいたことに気づく。どっかで見覚えがあるような……？
「これ、天喰くんのだ」
よくよくみてみると彼が持っていたものと酷似している。ハンカチすら覚えてるなんて我ながらキモイ。タグをみてみるとちゃんと天喰と書かれていた。こまめに名前書いてるんだなぁ、かわいい。
これはこのハンカチを口実に話しかけてみろっていう神様のお達しだろうか？なんでもいい、都合よく解釈したもんがちだ。
「はやく帰って洗おう」
一週間も野ざらしにされたのにヤケに綺麗なこのハンカチを、ありがとうと言って受け取る彼を想像したらなんだか眠くなってきた。
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続く (更新停止中)
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くらげＭ - うあ゛〜続きがきになぁるううう (8月7日 0時) (
レス) @page6 id: ee84a97268 (このIDを非表示/違反報告)
かなの - 続きめっちゃ気になります。。。！！更新待ってます！ (2022年6月14日 14時) (レス) @page13 id: 500e077a21 (このIDを非表示/違反報告)
かわあい - うぅ続きが気になります…更新頑張ってください！！ (2021年10月25日 17時) (レス) @page13 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - めっちゃ好きです！更新楽しみにしてます！！ (2021年7月30日 12時) (レス) id: b08ab2dbca (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - おお！とっても続きが気になります！応援しています！更新頑張ってください！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
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