6.下からくるぞ、ははっ ページ6
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見るだけとは言ったがこれほどとは。鐘離はオークションに入ってすぐ後悔した。
海賊に一言ずつ声をかけられた。天竜人に付きまとわれてる。座る席がない。
大まかに言えばこの三つだ。今男海賊が舌を噛みきってﾀﾋんでしまったが、もはや舞台なんて見てもいなかった。
もう女又隷には関わらないだろう。テイワットに帰るのが遠退いてしまうが、ひっそり龍になりながら商売をして人を雇い旅していく……
鉱石作って売るのは最終手段にして……
海軍の重要機関に侵入してそれらしき書類を見るのは迷惑をかけるからだめだ……
土産は何にしようか……
世界を旅した大海族のクルーにも話を聞きに行って……
うむ。ふむ？
考えに耽っていた鐘離は周りが騒がしいことに気づくと、自然と前を向いて驚愕した。
女又隷オークションでは見られないであろう全力疾走をしている少年がいるではないか。その少年の後方。鐘離の前方に多碗の男と透明な丸いカプセルを被った男が向き合っていて。
これは。
「岩山破竹！」
咄嗟に元素スキルを発動させ多碗の男を吹き飛ばしてしまった。
鐘離が出す岩の柱は下から生えてくる。故に場所によっては誰かを吹き飛ばしてしまったり視界を塞いでしまったりする。
岩柱は天竜人の目の前にあった。天竜人は多碗の男に向けていたであろう銃をぽとりと落とした。
魚人族は人間にとって迫害の対象であり、天竜人は自分達以外は物同然と思っている。
鐘離が見たのは、多碗の魚人族に魚と蔑視し銃を撃とうとする天竜人の姿だった。
咄嗟に、つい、体が勝手に動いた。鐘離は言い訳しようとしたがそれより先に天竜人が騒ぎだした。
「おま、おまえ〜！何者だえ！わしの獲物だそれは！！」
「おめぇ、だいじょ、いやまずありがとうか？でも大丈夫じゃねぇよなこれ！？」
頭の中の言い訳は吹き飛び、まず魚人族の男に答えることにした。
「俺は大丈夫だ。貴殿こそ、吹き飛ばしてしまったが怪我はないか？」
「大丈夫だいや体の怪我に大丈夫かって聞いてるんじゃねえんだ。おめぇ、天竜人に喧嘩売るか売らないかのとこ攻めたんだぞ！？」
心優しい青年である。鐘離は商人もどきをしている傍ら魚人族の話は聞いていたが、正面から見てみると確かに魚の特徴を残した人型である。
鐘離にとって幸いだったのは、始めての魚人族との邂逅がこの優しい青年だったこと。
不幸は心を暖かくさせた場所である。
「わしを無視するんじゃないえ！！」
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おりし(プロフ) - ぱんこっぺさん» ありがとうございます！ (2023年3月11日 16時) (
レス) id: 7f22883fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこっぺ(プロフ) - 好きです。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page10 id: e602514996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：otamesiいいおしり | 作成日時：2022年10月10日 23時
