オタク度 116% ページ16
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放課後、机の影に隠れながら私はある人物に電話を掛けていた。
粘りに粘ってコールし続けていると、やっとその人は出てくれた。
『もしもし?』
「あっ、田邊!私、A!」
昔なじみの彼の声が聞けて、少しの安心感が出てくるも、心の中は恐怖と焦りが勝って、つい早口になってしまう。
『國崎さん、どうかしたの?』
「田邊、どうしよう!私っ」
『落ち着いて、國崎さん。深呼吸して。ゆっくりでいいから、話してくれる?』
落ち着きのある大人びた声を聞いたまま、震える手でスマホを持ち直して、水津が転校してきた事や、そいつが私にしてきた事を全て話した。
水津がこの都内にいることにも驚いた田邊は、短く声を漏らした。
『碧くん、戻ってきてたんだ。それにも驚きだけど、國崎さんの居場所を知っていたような口ぶりも気になるな』
「どうしよう……また、前みたいな事になったら。折角、忘れかけていたのに」
『うーん……今はまだ何とも言えないけど、もし何かされたらまた連絡して?これでも警察官の息子だし、女の子1人くらい余裕で守るよ』
昔から彼は、そうだった。
あの時も、最初に助けてくれたのは田邊だった。
信頼感と安心感が持てる彼の言葉に、私は頷いた。
「ありがとね、田邊」
『うん。それじゃあね』
昔なじみの声は、私に少しの勇気を与え、不安を少し消してくれた。
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夏李 - とても面白かったです。! 続編楽しみにしてます! (2019年12月7日 16時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
凛緒(プロフ) - この作品大好きです!凄く胸にきました。続編が出来ることを楽しみにまっています! (2019年5月1日 16時) (レス) id: 49089506da (このIDを非表示/違反報告)
みかん中毒者 - 1~3全部見ました!!共感できるところもあって面白いです!頑張ってください!! (2018年1月24日 18時) (レス) id: eea0661623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水神友花 | 作成日時:2018年1月21日 17時