# 戻るべき場所へ ページ33
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そこまで思い出して、
止まらなくなってしまった涙。
『 私…… 死んだの、……？』
悲しみでも苦しみでもない、
…なんだか、不思議な涙が溢れ出た。
「 まだ生きてるよ。」
そんな私を包み込むように
目黒蓮はそう、優しく耳元で呟く。
「 ごめんね、ずっと隠してて。
……でも、君を救いたかった。」
そして何度も聞いたその言葉も、
今なら分かってしまう気がしたんだ。
『 私…、どうなるの…っ、？』
「 戻らなきゃ。…春樹さんのところ。」
『 戻るって…？』
「 ……生きるってことだよ。
Aちゃんは、…まだ死んじゃいけない。」
こんなあり得ないこと
信じられるわけないんだけど、
あり得ないからこそ
信じてしまう自分もいるのかもしれない。
もし私が今見ている世界が
私のいるべき世界じゃないのなら…
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『 目黒蓮は…っ？どうなるの…？』
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ぐちゃぐちゃに泣きながら
そう問いかけると、
目黒蓮は抱きしめる力を強くする。
「 僕は、一緒には戻れないから。」
『 やだ……っ、一人は嫌だ、怖い…っ、』
「 一人じゃないよ。
春樹さんが、君のこと待ってる。」
『 でも…っ、目黒蓮……、ん、っ、』
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その瞬間、塞がれた唇。
目黒蓮の柔らかいそれが、
私を優しく包み込む感覚。
「 怖くないから、安心して。」
『 やだ…っ、もう会えないなんて、いやだ、』
「 大丈夫、…必ずまた会える。」
目黒蓮から香って来る匂いと
抱きしめられた身体に感じる温もり。
…私はこれに、何度も何度も救われた。
『 本当に… 会える…っ、？』
「 うん。�� 向こう �瓩蚤圓辰討襪�ら。
…だからほら、今日はもう休もう。」
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そう言われた瞬間、
私を襲って来る猛烈な睡魔。
だけど、さっきまでの頭の痛みは
知らないうちに消えていた。
.
『 目黒、くん……っ、』
「 …おやすみ、Aちゃん。」
.
目黒蓮の腕に抱かれたまま
どんどん遠のいていく意識。
最後に唇が重なるのを感じると同時に、
私の意識は静かにそこで途切れた。
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こんぴ - めちゃくちゃ感動しました！次は山田涼介くんでかいてほしいです！ (9月2日 22時) (
レス) id: 752090bb54 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - とっても感動する素敵なお話でした(>_<)他のお話も読ませていただきますね！ (2022年12月26日 11時) (レス) @page37 id: 6ed58a0011 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 感動しました！泣きました！！目黒蓮の話また読みたいです！！！ (2022年1月22日 15時) (レス) @page37 id: f144e75419 (このIDを非表示/違反報告)
あ - おもろかった！ (2022年1月10日 14時) (レス) @page37 id: 6a6c6e6764 (このIDを非表示/違反報告)
ちっぷ - ほんとに感動しました！！ありがとうございます！！！！！ (2021年12月23日 10時) (レス) @page35 id: 0e171c8642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：望穂
| 作成日時：2020年5月12日 0時
