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『ガチさみぃ、キレそう』
sh「え？てか雪降ってね」
12月某日。
凍えるような寒さの中、俺は友人のシャオロンと他愛のない会話を交わしながら夜の街を歩いていた。
防寒着を着ていても足先まで凍ってしまいそうなほど寒いので、少しでも寒さをしのごうと、身を寄せあいながら歩を進める。
sh「はあ…寒すぎだろ」
『俺今ならホッカイロ食えるなあ』
sh「え…やめな」
『引くなよ冗談だから』
鼻の先がほんのり赤くなったシャオロンは、俺の発言に顔を歪ませた。
本当に食ってやろうかな。
『あ、そういや明日飲み誘われてんだよね』
sh「…は？なんで？何時に誰と？」
『え、高校の時の先輩…夜に…』
sh「夜はアカンやめとけ断れ今すぐ」
凄い勢いで捲し立てられるものなので萎縮してしまった。
先月以来、彼は少し過保護になったような気がする。
俺たちが2人で帰るようになったのも、先月のとある事件がきっかけだった。
"女性を狙った連続殺人事件"
先月、街の至る場所で女性が何者かに次々と襲われるという事件が起こった。
遺体には複数の刺傷や、被害者が抵抗したような痕が見つかったため、他殺であることが明らかになったという。
しかも、その遺体には共通点があった。
体内の血液が全て抜かれていたのだ。
『パッと飲んでパッて帰ってくるからさ』
sh「いや絶対ないわ 信じてないねんお前のこと」
『泣いていいか？』
未だ犯人は捕まっていない、というより捕まえることが出来ないのだ。
犯人は一切証拠を残さずに姿を消すのだから。
そんな凶悪犯を恐れてか、シャオロンは今後しばらくは一緒に行動することを提案した。
俺も死にたくなかったしその提案には首を縦に降った。
こうして今日も、2人仲良く家路についている。
そのおかげかわからないけど、約1ヶ月は何事もなく過ごせているので安心である。
sh「とにかくあんまり夜に出歩くのはやめよか」
『……そっすねー…』
しんしんと雪が降り積もる。
怯えて暮らせってか。
早く犯人捕まって、昼でも夜でも自由に飲みに行けるようになりたいと切に思う。本当に。
しかし、また平和な日常に戻ったとしたら、こうして2人で帰ることもなくなるのだろうか。
…それはそれで寂しいものだ。
少しセンチメンタルな気持ちになりながら帰路を急ぐのだった。
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味のり - とぅき((頑張って下さい！！！！！！ (2022年2月5日 8時) (
レス) @page4 id: c8f16d01ad (このIDを非表示/違反報告)
chokominto - 面白くて大好きです、更新待ってます。ただ体調を崩さないように気をつけて下さい！ (2021年9月1日 21時) (レス) id: d8e12cdfc5 (このIDを非表示/違反報告)
猫鍋 - 読んでいくうちににやにやしてましたw (2021年8月17日 13時) (レス) id: f9f407d9e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらさらさん | 作成日時：2021年8月13日 10時
