66話 ページ29
心地よい朝。
もたれかかった体を起こして、暖かい朝日を浴びながら、伸びをする。
前言撤回。伸びをしたかった。
正しい現状をどうぞ☆
心地よい朝。
もたれかかった時とは違う世界を見つめる。ソファーが、テーブルが、床に張り付いているように見えた。
皆さんお分かりだろうか。
た お れ て た __ ☆
私はのそっと体を起こす。
わきゃってたんだよ!!!!こうなることくらい!!!わきゃってたし!!!むきいいいいいい!!!!!
『んぐぉぉぉ……』
獣の咆哮みたいな声を、喉の奥から出しながら起き上がる。そんな時、目の前にマグカップが差し出された。
彼方「ん。おはよう」
『あ、ありがと』
差し出されたマグカップを素直に受け取る。そーだ、彼方がいるんだった。
彼方「ねぇ、翠雨」
『…なに?』
彼方「お前を床に倒したの、俺☆」
『ち☆ね☆』
彼方「ちねってなんだよ、リスナーにチクんぞ?」
『はぁぁぁ!?私を燃やす気か!?』
彼方「へっ」
『女の家に上がり込んでるお前も燃えるけどな』
彼方「あっ(察し)」
皆、推しがこんな奴でいいのか!?確かに歌上手いし、ゲーム上手いし、いいとこあるけどさ……
性格こんなんよ!?もっと別の人に……
あっすいませんでした。そんな目で睨まないで下さい。…え?あ、すいませんじゃない??
すみませんでしたァァァァ!!!!!!
ふん。翠雨ちゃんはへこたれないもん。へん。こちとら学生時代に数学で23点取っても笑顔だった翠雨ちゃんだぞ。
へんっっっ
……なんか悲しくなってきたからやめます。
マグカップの中に注がれて、ぬるくなった紅茶を飲み干す。
…あっ、ぬるくなったと思ったらそこまでぬるくなくて、ちょっと泣きそうな現状はスルーの方向でお願いしまぁす♡♡♡♡
え?何回見ても気色悪い?え?酷くない?そろそろ慣れてもいい頃じゃないですか???
ぴえん
マグカップをテーブルの上に置いて、彼方のイラつく顔面……は、私が燃えるため、脇腹に一発入れる。
崩れ落ちた彼方を嘲笑いながら、私はキッチンに向かった。
小指、ぶつけた。
私も、崩れ落ちてうずくまる。
大の大人が、二人揃って倒れ込むという不可解な現状が、朝日に照らされて行われていたのだった。
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キース(プロフ) - るるおさん» なんと嬉しい言葉……更新!頑張り!!ますので!!!これからもよろしくお願いしまァァァァす!!!! (2022年1月7日 10時) (レス) id: f19164db3a (このIDを非表示/違反報告)
るるお(プロフ) - とんでもなく面白い小説を見つけてしまった……続きが!楽しみ!!デェス!!!更新楽しみにしてます♪ (2022年1月7日 0時) (レス) @page28 id: 877b8d529d (このIDを非表示/違反報告)
キース(プロフ) - 月の光さん» 数えたんかい!!!!なぜわかった…!?まさか、お前、勇者か……!?えー、翠雨ちゃんが終わる瞬間も見つめてあげて下さい(白目) (2021年12月5日 13時) (レス) id: f19164db3a (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - アの数数えましたー!エンダァァァァァの方が31でイヤァァァの方が35でしたー! 夢主ちゃんおわたやな (2021年12月5日 12時) (レス) @page25 id: 7a85c7ca1e (このIDを非表示/違反報告)
キース(プロフ) - 魔灯さん» マネちゃんはお強いですから…w (2021年10月1日 19時) (レス) id: f19164db3a (このIDを非表示/違反報告)
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