52話 ページ13
母上「翠雨うるさいわよ〜」
雨が目に入って(物理)、「目がァ、目がァァァァァ!!!」と叫んでいたら案の定母上に怒られた。
雨水を目から取り出し(物理)、私は懐かしい自分の部屋を漁ることにした。
『クローゼット☆』
ブルーレ●ト☆のリズムで歌いながら、少し霞んだ色のクローゼットを開ける。…あれ、ブ●ーレットってなんだっけ。
『うわ、懐かしい』
そんな声が思わず漏れる。
衣類の代わりにあったのは、かつての私が遊んでいた物や、身内から貰った手紙などが積まれていた。
玩具は…あれだ、プ●キュアとかトー●スとかリ●ちゃんが多いな。なんでトーマ●があるかは知らんけど。
『……ん?』
そんな玩具の隙間から、少しだけ埃被った箱が見えた。綺麗に仕舞われた箱を開けると、出てきたのは一枚の紙と、私には小さすぎる指輪。
「すいうへ!!」
純粋で優しくて、心がまだ汚れていない、幼い彼方の文字だった。あ、そうだ。彼方との小さい頃の話をしよう。少し、気になるんじゃない?
〜回想〜
彼方ママン「こんにちはー!」
母上「あら〜、お隣に引っ越してきた…」
わたしは、ははうえとしらない人の会話をなんとなくきいていた。四さいの、なつの日。
どうやら、だれか引っこしてきたみたい。
少しだけ、きき耳をたてる。
彼方ママン「ほら、挨拶して」
彼方「一ノ瀬彼方、五歳です」
母上「あら、うちの子と歳が近いのね」
そんなははうえの声にいやな予感がして、わたしはカサカサにげるが。
母上「翠雨〜!」
だっそうしたわたしをアッサリ捕まえたははうえ。ゆるさん。
母上「ほら、翠雨。お隣さんよ」
しってるよ、聞こえてたし
彼方ママン「あら、可愛い子!」
これがぞくに言う“おせじ”か
(コイツは捻くれています。ご了承下さい)
『猫寺翠雨です。四歳です』
おじぎをした顔を上げると、おとこの子と目があった。
おさとうみたいだと思った。わたしより、一つ上。甘そうな、ゆるい顔だった。
にらめっこではないけど、顔を見合わせる。
彼方「よろしくね」
ふにゃ、とかなたくんは笑った。
〜回想終わり〜
これが、私の彼方の出会いだった。
どうだ、可愛いだろ。まだ幼くて初々しいしいからな。
はぁ…あんなに可愛かったのに、今はどうしてここまで捻くれたのか。彼方ママン、あなたどこかで育て方間違えたの?
私の目を物理的に攻撃した雨はまだ止まない。私は思い出に浸りながら、時を過ごす。
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キース(プロフ) - るるおさん» なんと嬉しい言葉……更新!頑張り!!ますので!!!これからもよろしくお願いしまァァァァす!!!! (2022年1月7日 10時) (レス) id: f19164db3a (このIDを非表示/違反報告)
るるお(プロフ) - とんでもなく面白い小説を見つけてしまった……続きが!楽しみ!!デェス!!!更新楽しみにしてます♪ (2022年1月7日 0時) (レス) @page28 id: 877b8d529d (このIDを非表示/違反報告)
キース(プロフ) - 月の光さん» 数えたんかい!!!!なぜわかった…!?まさか、お前、勇者か……!?えー、翠雨ちゃんが終わる瞬間も見つめてあげて下さい(白目) (2021年12月5日 13時) (レス) id: f19164db3a (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - アの数数えましたー!エンダァァァァァの方が31でイヤァァァの方が35でしたー! 夢主ちゃんおわたやな (2021年12月5日 12時) (レス) @page25 id: 7a85c7ca1e (このIDを非表示/違反報告)
キース(プロフ) - 魔灯さん» マネちゃんはお強いですから…w (2021年10月1日 19時) (レス) id: f19164db3a (このIDを非表示/違反報告)
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