そらるより有名です【part2】

51話 ページ12

私は今、全力ダッシュをしている。そう、皆様なぜだかわかるでしょうか。


あ、ちなみにしろさばは彼方に世話してもらうことになった。

…んで、なんで全力ダッシュしてるかというと。









雨降ってんだよ！！


『だぁぁぁぁぁぁ！！！！』


『うわぁぁぁぁぁ！！！！』


『傘ァァァァァァ！！！！』

なんとかタクシーを捕まえて、家まで送ってもらう。やべぇ、暇だからとか言って雨の日に親のとこ行くんじゃなかった。


皆も気をつけようね！「こんなことするのお前だけだろ」とか思ったやつ、殴るから出てこいや☆


ひたすらタクシーは走り続ける。雨は止まず、窓に雫を打ち付けるだけ。




「着きましたよ〜」

『ありがとうございます！』


私の財布から金が吹っ飛んだところで、タクシーを降りる。そこにあるのは、見慣れた家だった。

“猫寺”


そう書かれた札。

合鍵を忘れたので、インターホンを押す。しばらくして、雨音に紛れてぱたぱた歩いてくる音がする。


母上「は〜い」







『やぁ☆』




母上「…あら、翠雨じゃないの！！」


おいこら、一瞬誰かわかんなかっだろコノヤロー。…まぁ、何年も顔を出さなかった私のせいなんだがな。



母上「こんなに濡れて…早くお上がんなさい！」



うん、母上は変わってないな。なんか肌ツヤもいいし元気そうだからY●uTubeの広告に出てたサプリでも飲んでるんだろう。




『ただいま』





お父上「……おぉ！翠雨！」

おとん、老けたな。知ってたけど。



お父上「お前、全然帰って来ねぇな！」



がはははは！！と笑うお父上。相変わらず元気だな。


畳や木の懐かしい匂いが香る。家具を少し移動したのだろうが、全て懐かしかった。


母上「翠雨の部屋、まだ綺麗で使えるわよ」


『ありがとう』


階段を上る。あぁ、小さい頃はこの階段から落ちて奇声を上げたことがあったよね。


扉のドアノブを捻る。扉が開かれる。





『おぉ…！』



見事に物が少ねぇ☆まぁ、上京する時に殆ど持ってったからな。


よく彼方と遊んだな。絵ェ描いたり、ゲームしたり。あの時の彼方は可愛かった。あの時の彼方はね。


鞄をベッドの上に下ろす。久々に帰ってきた家は、居心地が良い。



カーテンを開いて、窓の鍵を開ける。窓を開けると目に入るのは、懐かしい景色と









『雨ェェェェェェエエエイ！！』


雨が、目に入った。(物理)



〜今日学んだこと〜
雨の日に遠出をするのはやめましょう。

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