▶︎ ページ29
吉野｢そういや、もうちょっとでバレンタインやん。どうすんの、また作るの？」
｢吉野が作るなら作る」
吉野｢……はいはい」
彼女の名前は吉野。下の名前が嫌いだから苗字で呼んでくれ、と初対面で真剣に言われたそのインパクトが強すぎて、手放しがたい彼女とは長年友人をやっている。
吉野｢ほんなら仲良い阪本くんにもあげたら？バレンタインなんて男子には嬉しいイベントやろ」
｢……なるほどな、ありかも。」
吉野｢……まじかよ」
あたし、割と冗談やってんけど、と苦い顔をして睨んでくる。茶色のくせっ毛が揺れた。
えー、と真顔で答えると、ムスッとした顔で頬を引っ張られた。
吉野｢あんた鈍感なところあるからな。相手にいらん期待ばっかり持たせて、変に弄ぶのはやめたりや」
｢何を言いますか」
吉野｢そのアンタの思わせぶりな態度で、これまで何人の男どもが死んで言ったと思うねん？後ろ振り向いてみ、数え切れんほどの屍があるやろが」
｢怖いこと言わんといてよ。取り憑かれてるみたいやん、私が」
吉野｢とにかく、阪本くんみたいなタイプが1番ヤバかったりすんねん。そうやな……めちゃくちゃむっつりとかさ、メンヘラとか？」
｢ないない！サッパリしてそうやし、そういうの嫌がりそうやん、阪本くん。中谷くんにズバズバ意見してるところも見た事あるし。
中谷くん自身もそう言ってたで？冷酷人間やって。それ言った時阪本くんに肩どつかれてたけど」
吉野｢……中谷くんとも交流持ってるやん……。」
｢あかんことみたいに言うねえ」
もしかして、取られると思ってんのぉ〜？とにやにやしながら見ると、そんなんちゃうわ、と睨まれた。そんなツンデレな彼女が、私は好きなのだが。
秋定｢あ……、A、さん」
｢はは、別にさん付けせんでいいよ、クラスメイトやん」
秋定｢せやんな、ごめん。なんか慣れんくて」
変に下の名前で呼ばんかったらよかった、と割とマジで照れているらしい、クラスメイトの秋定くん。
彼とは以前、何回か隣の席になっていて、その交流を重ね友達に至った、数少ない男友達である。
秋定｢さっきの数学でわからんところがあってさ、A……数学得意やろ？」
｢得意ではないな」
秋定｢おっ、ズバッと切るねえ」
｢でもさっきのところ分野としては結構行けるで、私。教えたろか」
秋定｢ええん？頼むわ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 201人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
8ﾋﾌﾍﾎ(プロフ) - 流さん» いえいえ全然大丈夫です！！！いつまでもお待ちします☺️ありがとうございます！ (2月21日 8時) (
レス) id: 24374c049d (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - 8ﾋﾌﾍﾎさん» わーありがとうございます😊今リクエストがかなり溜まっておりまして、消化するのがだいぶ先になってしまうかもしれないんですがよろしいですか…！？😭 (2月20日 9時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - いとさん» オワ〜いとさん😭😭！こちらこそありがとうございました…！！やっぱりいとさんの書かれるようなダイナミックなtjさんは難しかったです……T Tもっと作品読んで解釈深めないと……🤔楽しんでいたたけたようでなによりです😭 (2月20日 9時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
8ﾋﾌﾍﾎ(プロフ) - はじめまして！！！！流さんの作品とても好きです！！！いつもニヤニヤしながらお話読ませていただいてます( *´꒳`*)ﾘｸｴｽﾄいいですか？ｸﾛｵﾋﾞのｵｵﾆｼさんのお話が見て見たいです…！ (2月20日 8時) (レス) id: 24374c049d (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - 流さんこんにちは飛んできました！リクエスト答えてくださりありがとうございます、最高でした(；；)私は流さんが書かれる男勝りな主人公ちゃんが大好きなので、それプラス嫉妬tjさんでめちゃくちゃ嬉しい組み合わせでした…！何回も読み返します！(^^) (2月19日 17時) (レス) @page43 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：流 | 作成日時：2024年1月22日 3時
