▶︎ ページ13
「OK、する……。｣
恥ずかしくて、変に口角が上がる。
嬉しそうな、なんとも言えない顔の阪本がパッとこちらを見る。緩みきった口は、私とおそろいかもしれない。
阪本「気づいたら、好きになってもうとって……。この関係を壊すのも怖かったし、拒絶されんのも怖かってんけど……｣
言うなら、今かなって。
嫌にしおらしい阪本が手を握った。滾るほどに熱い手に、微笑ましくなる。
「思い出したわ｣
阪本「は？何が？｣
「ムービングゴールポスト。双方の同意の上の約束を、片方が勝手に変更すること｣
阪本「……なんやようわからんけど、付き合ってくれるってこと｣
「どうしよっかなあ｣
阪本「ここまでしたらもう既成事実やろ！｣
繋いだ手を掲げて阪本は怒鳴った。キスもしたろか、と本気の目にイヒヒと笑い声が出た。
「あいつからほらなって言われるかな｣
阪本「言わせとったらいいやん。録音もしてるし、あいつがヤバいやつっていう証拠あるもん｣
「ちゃっかりしてんな……。｣
まあまあ、俺が守ったる、と適当にも程がある言い方で阪本は横に寄ってきた。
阪本「なんやっけ、ムービングなんとか？先に俺が頂きましたぁ〜。｣
「いいことでは無いのよ？｣
阪本「俺から絶対告白したろ思っててん｣
「にしてはムードもなかったし聞く限りかなりひよってたみたいやけど｣
阪本「ああ言えばこう言うなほんま。俺しか貰い手おらんで、こんなワガママ女｣
「あんたがそれを言うん笑｣
みきちゃんごめん、やっぱり私はみきちゃんの考え方の味方ではないわ。
焚き付けてくれたあの同期に少しだけ感謝しながら、苦いタバコをまた吸った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 201人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
8ﾋﾌﾍﾎ(プロフ) - 流さん» いえいえ全然大丈夫です！！！いつまでもお待ちします☺️ありがとうございます！ (2月21日 8時) (
レス) id: 24374c049d (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - 8ﾋﾌﾍﾎさん» わーありがとうございます😊今リクエストがかなり溜まっておりまして、消化するのがだいぶ先になってしまうかもしれないんですがよろしいですか…！？😭 (2月20日 9時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - いとさん» オワ〜いとさん😭😭！こちらこそありがとうございました…！！やっぱりいとさんの書かれるようなダイナミックなtjさんは難しかったです……T Tもっと作品読んで解釈深めないと……🤔楽しんでいたたけたようでなによりです😭 (2月20日 9時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
8ﾋﾌﾍﾎ(プロフ) - はじめまして！！！！流さんの作品とても好きです！！！いつもニヤニヤしながらお話読ませていただいてます( *´꒳`*)ﾘｸｴｽﾄいいですか？ｸﾛｵﾋﾞのｵｵﾆｼさんのお話が見て見たいです…！ (2月20日 8時) (レス) id: 24374c049d (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - 流さんこんにちは飛んできました！リクエスト答えてくださりありがとうございます、最高でした(；；)私は流さんが書かれる男勝りな主人公ちゃんが大好きなので、それプラス嫉妬tjさんでめちゃくちゃ嬉しい組み合わせでした…！何回も読み返します！(^^) (2月19日 17時) (レス) @page43 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：流 | 作成日時：2024年1月22日 3時
