laughing

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事実として、女は、悲しいことに消費期限がある。


それまでにキープの男を探さないと、取り残されて、果てには捨てられるのだ。


異性と一緒にいることを望む私たちは、その戦争に勝ち抜いていかなければならない。



｢(一体、何勝何敗やねん……)｣



ふぅ、と絶え間なく出続ける紫煙は、私の目を曇らせる。決してこれは、悲しくて、泣いてるんじゃ、ない。


目にしみて、痛いだけ。


｢くそ、くそっ｣


えっ ちが下手でも、アレがちっさくても、楽しかったし、それがむしろ好きやった節だってある。



好きな男がすることや持ってるものは、常識の範囲内でなんでも好きや。法に触れへんかったらなんでも許す。



ほんまに情けない。何歳やねん。



火をつけたはいいが、同時には吸えないふたつのタバコ。


ひとつは私の口の中に収まり、唾液と涙で湿っている。

もうひとつは右膝の上で、ひっそりと私のおニューのスカートに灰を落としてやろうと待ち構えている。


悔しい。引きずってる私が、悔しい。



｢もう恋なんてしないなんて〜言わないよ絶対〜｣



恋なんてしない。楽しいけど、いつも振られるのは私。


もう置いてかれるのは嫌。



｢タバコは私の事、裏切らへんもんなあ｣



ぐす、と鼻をすすると、ガチャと後ろから扉が開いた。



盛山｢お、なんやおったんか────お？｣



おお？なんや！？泣いてんのか！泣きタバコか！と嬉しそうにひょこひょこやってきたのは、同じくドブの集まり、盛山晋太郎。



こうやって私が泣いていることを知っていても、全く気にかけない。


むしろちょけてくるこの醜悪さ。完全に私をオモチャとして扱っているのがわかる。




｢どっか行けや豚｣


盛山｢えらい言い様やなあ……、なんや？なんかあったんか？盛ちゃんが慰めたるやんかっ｣


｢だまれ｣


ウザイねん！と口に含んだ煙を顔に吹きかけた。顔面に、とりわけ鼻に直撃した盛山は短く唸って勢いよく咳き込む。


せめて心配する素振りぐらいしろ。



｢……振られた｣



盛山｢……え、？笑｣


｢いい感じやと思ってた男に！めいっぱい振られたの！！｣



振られた、って今1度口に出すと、悔しさと悲しさと情けなさが、心からどんどん後悔として流れ出して、唯一の逃げ口である目と口から、涙と愚痴として溢れ出す。











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