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阪本｢……なんか今日ちゃうやん。どうしたん？｣
｢ん？そう思う？｣
阪本｢明らかにそうやろ。なんでなん？｣
もたつく中谷を2人で見ながら、顔も合わせず言葉を交わした。
先にラジオブースに入った俺は定位置に、Aはブースの真ん中に座らせる。
｢いやーデートのシュミレーションなんて言うからさ〜ちょっと気合い入れてもうたわ。どう？カワイイ？｣
阪本｢ブス｣
｢はい、今！貴方の死が！決まりました！テメェツラ貸せや誰に向かってブスとか言ってんねん顔面道路野郎が顎のコンクリート割れてんぞセメントでその隙間埋めたろかほんまコラ｣
阪本｢キレすぎやろお前｣
女の子にブスって言うの禁句って知らんの？女の子と付き合ったことない？貴様がこれまで付き合ってきたのは言葉がわからん動物か？
と、矢継ぎ早に罵る言葉だけをふりかけてくるA。
せっかく小綺麗な格好をしていると言うのに、その口の悪さで全てが台無しだ。
阪本｢まさか中谷のためとか言わんよな？｣
｢そう思うならそう思ってもらってもいいけど｣
阪本｢おえ……おまえ、まじかよ……｣
｢たまにはご褒美あげてもええやろ！｣
阪本｢自分のことご褒美って言うやつ初めて会った｣
｢阪本の初めて奪っちゃった……｣
阪本｢ほんま殺していい？あかん？｣
｢本人に許可取ろうとすな｣
雰囲気作りよ雰囲気作り〜と、手をヒラヒラさせて言う。
その雰囲気作りと称しているオシャレが、いかに中谷にとって致命傷であるのか、こいつにはとんと理解出来てないらしい。
こいつも相当鈍感やな。
阪本｢俺に可愛いとか言われても嬉しくないやろ？｣
｢いや嬉しいやろ！｣
阪本｢はあ？｣
｢女の子って可愛いって言われたら嬉しいねん！誰でも嬉しいねん！ほんま分かってないな〜〜典型的な日本男児やねえ阪本は｣
阪本｢1言ったら100返してくんのやめろや｣
ごめん待たせた、と、中谷が忙しなく入ってきた。依然変わらずAに目線は寄越せないらしい。
2人のすれ違いにも程がある想いに、ため息が漏れ出た。
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作者名：流 | 作成日時：2024年3月3日 22時
