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｢……そう見える？｣
大東｢はい。なんか悩んでます？｣
｢悩んでるかと聞かれたら悩んでるな｣
大東｢はぐらかすっちゅーことはあんまり話したくないんすね｣
｢しょーいくんにしてはなかなか鋭いやん｣
大東｢まあまあ。俺モテるんで｣
｢誰が何言ってんねん笑｣
まあちょっとね、と意味ありげに微笑むと、ぐ、と眉間に皺を寄せた大東。
少し悩んだように黙って、｢またこれですか？｣と泣き真似のジェスチャーをした。
｢おいおいおいおい！私が泣き虫みたいな言い方やな｣
大東｢実際泣き虫やろ、マユリカさんが東京いったからってギャン泣きしてたくせに｣
｢は、はい？泣いてないですけど！！｣
大東｢バレてるて。俺だけじゃなくて全員知ってるて｣
｢なんで知ってんねん！！｣
大東｢あらっ、また泣くー？｣
｢泣きません！！！｣
もういいです！と逃げようと足を踏み込むと、あーんちょっと待ってぇ、とまたふざけたオネエ声で呼びかける。
素直な私は、ここで立ち止まってしまうのだ。
｢……なに｣
大東｢姉さんも東京行こうとしてますのん｣
｢え……｣
永見｢え！それほんまですか、Aさん｣
近くにいた永見が反応する。パキュッ、とペットボトルの蓋を開けて、
不安げにこちらを見ている目は、これまで見てきた永見の表情の中で初めてだった。
永見｢悲しいな。僕、まだまだAさんと大喜利ライブしたかったんですけど｣
｢や、まだ行こうって決めたわけじゃ……｣
大東｢滝音とビスブラとkentoさんがもう行くから｣
永見｢あー……てことは、一緒に上京しはるんですか？｣
｢あんたら聞いてる？話？？｣
ふぅ、と鼻で息をついて、後輩にこんなこと聞くのもどうかと思うけど、とその場でぐるっと回って2人に向き直った。
｢上京、しょうみ迷ってんねやんか。行った方が、いいかな｣
情けない。同期や先輩に聞くのならまだしも、3年も後輩の自分より売れてる子達にこんなこと聞くなんて……。
恥ずかしさで圧死しそうだ。
そんな私を他所に、永見はケロッと答えた。
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作者名：流 | 作成日時：2024年3月3日 22時
