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｢ねぇ、ねぇってば、なんで？？なんで？！｣
秋定｢俺らが謝る意味もよくわからんけどな。なんも悪いことしてないし裏切った覚えもないねんけど｣
｢私がこの前どんだけ泣いたと思ってんの！！？
kento fukaya｢こればっかりはもうなんとも言えないなあ｣
｢この嘘つきーーーーー｣
原田｢そもそも東京に行かんなんて一言も言うてへんけどな｣
ぐすん、と鼻を鳴らした。その喉と連動して肩がひくつく。
東京進出。数ヶ月前から、私はこの言葉がトラウマになってしまった。
マユリカや紅しょうがの東京進出にさんざん傷つけられて、失うものは失ったと思っていた矢先の、これ。
kento fukaya、滝音、ビスブラの東京進出。
｢ほんでなんで私だけこんな早く教えるん！？！長く苦しめって言うん！？嫌がらせ！！？！｣
さすけ｢だって姉さん必死に止めて絶対騒がしいや〜ん｣
｢うるさい！！！！止めるに決まってるやろ！！！！｣
きん｢早めに教えたのはそのヒステリックを何とか抑えたかったからやねんけどさ｣
ポロポロ出てくる涙を掬うようにきんちゃんが肩を叩く。
ぶすっ、と拗ねた顔をしながら顔を上げると、ゲラゲラ笑っている原田とkentoとさすけが奥にいるのが見えた。
あの人でなし共。ハゲ上がったらいいねん。あ、kentoはもう禿げてたか。ざんねーん。
きん｢Aも東京いってみぃひん？｣
｢……え、？｣
まさかの提案にポカン。何やその顔、ブッサイク、と秋定が笑いながら、ティッシュを鼻に押さえつけてくれる。
もうこいつの言うことは基本気にしてないのでいいとする。
とうきょう？とそのティッシュで鼻をかみながら、また繰り返して言うと、｢東京っす｣ときんちゃんが頷いた。
きん｢俺はAも上京してもいいと思う。
無限大のルミネの出番も最近多いし、人気も申し分ないし。
今年からR-1の芸歴制限もなくなったし、kentoと同じで決勝行けたやん｣
で、でも……、とウジウジしている私にも、容赦なく秋定はペチンと強い言葉をなげかける。
秋定｢そうやっていつまでも大阪におってぬくぬくしとくんやったらそれでもいいけど、お前の周りの好きなやつらはもっと高みを目指して上に行くんやで。
それを毎回毎回ガキみたいに泣いて愚図って見送るつもりなん？
そろそろAが見送られる側になってもええんちゃうの？｣
｢……｣
きん｢秋定、おまえ、もうちょっと言い方ってもんがあるやろ……｣
秋定｢でもほんまのことやん。この際やから聞くわ、Aはこれからどうするつもりなん？ずっと大阪におんの？｣
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作者名：流 | 作成日時：2024年3月3日 22時
