▶︎ ページ13
ご、ごめん、勢い余って……と、慌てて謝ると、クス、と笑い声が聞こえた。
｢……あん？｣
中谷｢はは、いや、あははは｣
｢何笑ってんの、この状況で。不謹慎やで｣
中谷｢いや、Aって、ホンマに悪い意味で、ちゃんと阪本のこと考えてるんやなあって思って」
｢……は？｣
いやマジで意味わからん、キレるで、と中谷に真剣に詰め寄ると、ほんっまに俺からは言われへんねん、阪本に殺される、とマジな顔で返してた。
どいつもこいつも阪本を恐れているようだが、あいつはそんなに怖くないぞ。
中谷｢でも、ほぼ答え出てるけどな、それ。｣
｢だ、か、ら……。｣
中谷｢ああ、そうか。Aはそこまでの道がないんやったな｣
あいつも可哀想というか、なんというかやけど、まあ幸せ者ではあるんかもな、とだし巻き玉子を口に入れて、ウッマ、と感想を零す。
中谷｢阪本に引っ付かれんのが嫌なん？」
｢……気まずい？｣
中谷｢嫌ではないの？｣
｢嫌ではないって言ったら嘘になるかもやけど。周りの芸人からいじられるんは癪に障るし。
あと、別に、イチャつくような、そういう関係でもないし……。」
中谷｢もう耐えるしかないんちゃう、これに気づかんばかりは｣
ケラケラ笑いながら中谷は次々に運ばれてくる料理を堪能しているようだ。それにイラッとして、ハイボールを口に含み、私は決心した。
｢思考を変えればいいんや？｣
中谷｢簡単に言うとそうやな｣
｢あっそ。じゃあ今から言うこと笑わんで聞いてくれる？｣
中谷｢いいよ？なに？｣
中谷はまだ私が的外れな答えをすると思っている。それが腹立つ。中谷のくせに。
｢阪本って、私の事好きなん？｣
中谷｢ブッッッ！！！！｣
ちょ、汚ったないねん！！！！と飛んできた飛沫を手で払い除ける。こいつまじか！！とバッと顔を見あげると、客席を仕切っていた簾が上がって、向こう側が丸見えになっていた。
その席に座っていたのは─────
｢……阪本？？｣
阪本｢……。すまん……、｣
｢せつめーーーーーい｣
中谷｢……阪本に、尋問されて……。Aと、俺の話するんやったら、俺はちょっと遠目の席で聞いとくからって……、脅されたんやぁ……｣
｢事実か？｣
阪本｢まあ、大方｣
中谷｢全部やろ！！｣
私が中谷に、阪本のことで相談があるという話を聞いていたらしい阪本。
いてもたってもいられず、中谷を脅して私と飲む場所を聞き出し、
簾があることをいいことに、真横の席を予約したらしい。こいつ変に勇敢よな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流(プロフ) - かっこさん» 🍔さん！！😭存じ上げております！！まさかこんな所でも会えるとは……こちらの方でもよろしくお願いします😭🙏 (1月8日 21時) (
レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
かっこ - えっえっまさかまさかのTikTokで存じ上げておりました……！！あの神絵師様だったとは……！！！TikTok、僭越ながらフォローさせていただきました！！🍔です！！ほんと、いつも供給おサンクスです！！応援しています！！😭😭 (1月8日 15時) (レス) id: c6e86dc049 (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - かっこさん» ウワ〜ありがとうございます😭😭分かりにくくてすみません〜😭この小説の2話目の宣伝というお話に、ポイピクというイラスト投稿サイトに載っけてます…！！！めちゃくちゃ夢絵ばっかりですがたまに更新してるのでよかったら…！！ (1月8日 12時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
かっこ - 初コメ失礼します！小説、いつも繰り返し見させてもらっています！質問なのですが、流さんのイラストはどこで見られるのでしょうか…？😭流さんの小説大好きなのでイラストも拝見させていただきたいのですが調べても出てこなくて…教えていただけませんか😭 (1月8日 8時) (レス) id: c6e86dc049 (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - 東雲 櫂(しののめ かい)さん» ワ！！おすすめからありがとうございます！！🥲🥲💞ハエ〜〜〜嬉しいです😭😭😭💞💥💞💞励みになります…………😿😿😿🎶💙 (12月19日 15時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：流 | 作成日時：2023年12月18日 14時
