happiness

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中谷の顔のタイプを聞くと、何の躊躇いもなくアイドルの名前を上げやがるぐらいには、


無駄にタイプのレベルが高いから、もうそれしか戦う手段がなくて。



私自身めちゃくちゃチキンでビビリだから、告白するタイミングを尽く(ことごと)逃して、


料理を振る舞って、中谷がそれを食べるだけの変な関係をダラダラ10何年続けてる。



あんまり仲のいい同期の関係、簡単に壊したくないしね。



｢美味しい？」


中谷｢ん！」


｢そおかあ」



お母さんってこんな気持ちだったんだろうなと思う。


私の場合は相手は子供じゃないけど、例えば料理人とかの気持ちってこんな感じだな。



やっぱ美味しい美味しいって言ってくれると、めちゃくちゃ嬉しいもん。



で、毎回新鮮に驚いて褒めてくれるし。



｢次何食べたいとかある？」


中谷｢え、リクエストしていいん？」


｢いいよ、ネタ尽きてきたし」



マジか！ちょっと考えとくわ……と真面目な顔をして考える。


ほんま、性別不詳の顔してるけどそれもまた愛しいというか。


なんか病的やな。



中谷｢……Aさ、」


｢ん〜？」


中谷｢毎回俺に料理作ってめんどくないん？」


｢めんどくないよ〜ついでやし」



寧ろ中谷には付き合ってもらってる形やから、と中谷が食べ終わった食器を持って、おもむろに立ってキッチンへ。



あ、ありがとう、ご馳走様、とおずおずと礼を言う。お粗末さまでしたーと笑って食器を片づける。



中谷｢あの。変なこと聞いてもいい？」



意を決したように中谷が口を開いた。



嫌な予感がしたけど、遮る理由もないので、どした、と皿やら包丁やらを洗う手元から視線を逸らさず言った。




中谷｢……やっぱなんでもない」


｢何それ？笑 ちょ、気になるんやけど笑」


中谷｢すまんすまん、こんな切り方して悪いと思ってる、でもやっぱなんでもない、」


｢だる〜」



代わりになんかおもろいことせえ、と無茶ぶりしたらめちゃくちゃ顔歪ませてた。それぐらいのことしたんよ貴様は



多分どっちかに彼氏彼女ができるまでこの関係は続く。


もう誰か名前付けてくれ、最悪、養豚場の豚と飼育員とかでもいいから。











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