翼無き鶴【暗殺教室】 (ページ16)

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幼馴染の時間ページ16

「……と言ってもカルマ君のことは、僕より五条さんの方が詳しいよ」

「え？それってどういう……。あっ、そういえばさっき朝起こしたって……」

その時、E組の皆の視線が私に集まる。岡島や前原が「まさかまさか！？」みたいな顔をしていて、再び溜息をつく。……まぁ、大っぴらに言うことじゃないが、隠すことでもないな。

「……アイツと私は、家がお隣同士の幼馴染だよ。岡島、前原。お前らが思ってるような関係じゃねぇからその顔やめろ」

「え、ええええええ！？」

「そうだったんだ……」

関係を知らなかった一部は驚きを隠せず、茅野は先程の私の発言に合点がいったようでなるほどと頷いていた。

「……まぁ何にせよ、アイツはここじゃ優等生かもな」

「…？どういう事？」

「凶器とか騙し討ち……そういった「基礎」は、めちゃくちゃ速い頭の回転と、今までの喧嘩で培ってきたカルマが群を抜いているって事だ」

*

─ブニョンッ、ブニョンッ

「さっきから何やってんだ殺せんせー？」

「さぁ…。壁パンじゃない？」

「ああ…、さっきカルマにおちょくられてムカついてるのか」

「触手がやわらかいから壁にダメージ行ってないな」

「ブニョンブニョンうるさいよ殺せんせー！小テスト中なんだから！」

「こ、これは失礼！」

岡野に怒られて、殺せんせーはようやく壁パンを止める。これでやっと静かになる……と思っていたのは間違いだった。今度は寺坂グループが私を挟んでカルマにちょっかいをかけてきた。

「よォカルマァ、あのバケモン怒らせてどーなっても知らねーぞー」

「まだおうちにこもってた方が良いんじゃなーい」

自爆テロ事件の二の舞になったところを嗤いたいのか、ひたすらおちょくる寺坂だが、カルマはそれに歯牙にもかけずこれまた私を挟んで余裕綽々と言い返す。

「殺されかけたら怒るのは当たり前じゃん、寺坂。しくじってちびっちゃってAにボコられた誰かの時と違ってさ」

「な、ちびってねーよ！テメケンカ売ってんのか！つか誰に聞いたんだ！」

「Aからー」

「何余計なことしてんだテメーはよ！！」

「うるせえ私を挟んでケンカすンなそして巻き込むンじゃねえよ！！」

「こらそこ！テスト中に大きな音立てない！」

……思わず怒鳴った私も人のことを言えないが、自分の触手にも言ってくれや。